研究課題/領域番号 |
23K10474
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
中島 恵一 旭川医科大学, 医学部, 講師 (70362150)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 骨格筋再生 / 周細胞 / 遅筋 / NG2 / ペリサイト / サルコペニア |
研究開始時の研究の概要 |
骨格筋再生、特に恒常状態での骨格筋維持には未だ不明な点が多い。申請者が所属する研究チームでは、毛細血管周細胞群の中から骨格筋分化能を有する周細胞(毛細血管幹細胞 CapSCs)を発見し、周細胞欠損を誘導させた成体マウスの解析により、周細胞は骨格筋の中でも、特に、遅筋の維持に重要であることを見出した。本研究では、CapSCsの遅筋分化の機序を明らかにするとともに、全身の遅筋維持における周細胞の関与ならびに運動能・代謝能に及ぼす影響を解明する。
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研究実績の概要 |
NG2に加えてEphA7を発現する周細胞、CapSCsは、筋芽細胞への分化能を有し、重症筋ジストロフィーマウスへの細胞移植実験において、骨格筋線維への分化を介した高い病態改善効果が認められた。周細胞が生体内でも骨格筋幹細胞であることを証明するために、NG2細胞欠損誘導マウスを用いて、下腿三頭筋を組織学的に解析した結果、NG2陽性細胞は主に遅筋であるヒラメ筋に分化することが示された。本研究ではNG2陽性周細胞(CapSCs)による遅筋分化の全体像を明らかにするため、全身の遅筋における同細胞の関与を解析するとともに、周細胞から遅筋への分化を特徴付ける因子を探索し、遅筋分化の機序を解析する。 令和5年度は、遅筋に付着するNG2陽性周細胞による骨格筋分化系の構築を行った。NG2-CreERT/ td-tomatoマウス(NG2陽性細胞追跡マウス)から代表的な遅筋であるヒラメ筋の筋線維を分離し、付着するNG2陽性周細胞を培養した。tamoxifenによりNG2陽性細胞特異的にtd-tomatoを発現させることでNG2陽性細胞の分化をin vitroで追跡した。ウマ血清を含む培地で分化を誘導し、蛍光タンパク質を発現した筋管形成を指標に骨格筋分化を評価した。 その結果、tdTomato陽性の周細胞は筋分化誘導6日後にミオシン重鎖(MyHC)を発現する筋線維に分化した。RT-qPCRの結果、筋分化と並行して、MyoDやMyogeninなどの骨格筋再生に関連する遺伝子の発現が約3倍に増加した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ヒラメ筋に付着するNG2陽性細胞の骨格筋分化モデルを構築することができたが、マウス個体を使った実験系の構築が遅れたことから、“やや遅れている”と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
NG2陽性周細胞の骨格筋分化において、これまでに知られている遅筋分化関連因子の発現動態を解析するとともに、それらに伴って発現が変動する新たな因子を探索する。また、ヒラメ筋以外の遅筋についてNG2陽性細胞との関連を解析する。
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