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ヒト二足歩行の速度低下に伴う自動性の低下と超低速歩行の随意性の高い神経制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 23K10477
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分59010:リハビリテーション科学関連
研究機関大阪大学

研究代表者

鈴木 康之  大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 講師 (30631874)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
キーワードヒト二足歩行 / 低速歩行 / 自動運動 / 神経制御機構
研究開始時の研究の概要

通常のヒト二足歩行は高度にパターン化された動作であり,自動運動に分類される.高齢者や運動機能障害者に見られる超低速度の歩行は通常歩行とは大きく性質が異なっており,この差異はそれぞれの歩行の制御メカニズムの違いによる可能性が示されている.これまで,超低速度の歩行研究は十分に行われてこなかった.本課題では,歩行計測実験および数理モデル解析により,自動運動と見なせる歩行の速度の下限を明らかにし,その閾値を下回る超低速歩行と通常歩行の差異を明確化する.また,超低速歩行の神経制御メカニズムの理解を試みる.

研究実績の概要

本研究は,歩行計測実験および数理モデル解析により,これまで十分に実施されてこなかった超低速度の歩行の神経制御メカニズムの理解を試みるものである.
2023年度は,比較的簡易な歩行モデル(コンパスモデルおよびバネ質点モデル)を用いたモデル解析を行った.これにより,歩行速度の低下に必要な歩幅の短縮と歩行リズムの変調が,通常速度の歩行で見られる受動的な歩行特性においては実現が難しいことを示した.また一方で,通常速度の歩行で重要な役割を果たしていると考えられる脊髄反射回路のみを有する神経筋骨格系モデルの歩行シミュレーション実験を実施し,反射回路に含まれる円滑な歩行を実施するための機構が,超低速歩行時に必要な両脚支持期の延長を阻害することも明らかにした.これらの知見は,通常歩行を円滑に実施する際に重要な役割を果たしていると考えられる受動的な制御メカニズムのみでは超低速歩行の実施は困難であり,超低速歩行では,例えば中枢神経系を介した能動的なフィードバック制御がより重要な役割を果たすことを示唆する.
本年度は,さらに,モーションキャプチャシステム,脳波計,筋電計測,床反力計を用いた歩行計測実験を行った.通常歩行中と超低速歩行中に計測したこれらのデータを解析することで,各速度における歩行キネマティクスの差異だけではなく,キネティクス,およびその背後にある脳波や筋活動パターンの差異を明らかにしつつある.各差異の因果関係を詳細に理解することにより,速度変化に伴う歩行制御メカニズムの詳細な理解が期待できる.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2023年度は,研究計画に記載されていた比較的簡易な歩行モデル(コンパスモデルおよびバネ質点モデル)を用いたモデル解析,歩行計測実験,および神経筋骨格系モデルの数値シミュレーション実験を行った.
モデル解析からは,研究開始時に想定されていた結果に近しい結果が得られるとともに,計測実験においては,計測が順調に進行し,歩行速度の低下に伴う身体キネマティクス,キネティクス,脳波,および筋活動パターンの差異が明らかになりつつある.
以上のように,研究はおおむね順調に進展している.

今後の研究の推進方策

本研究課題では,今後,2023年度にモデル解析により得られた知見をより詳細な神経筋骨格モデルへ応用し,超低速で歩行可能な歩行のモデルの構築および数値シミュレーション,および,超低速歩行計測実験の継続的な実施と摂動に対する応答実験を行う予定である.
超低速で歩行が可能な神経筋骨格モデルの構築を通して,歩行の超低速化のために必要な制御メカニズムの明確化を目指すとともに,計測実験によって得られる知見とモデルの比較検討により,ヒト歩行運動の制御メカニズムに関する正しい理解を目指す.

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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