研究課題/領域番号 |
23K10484
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 高崎健康福祉大学 |
研究代表者 |
竹内 伸行 高崎健康福祉大学, 保健医療学部, 教授 (20587076)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 低出力レーザー / 求心性神経線維 / 疼痛 / 半導体レーザー / 神経線維 |
研究開始時の研究の概要 |
研究代表者は光線療法の研究を遂行しながら、その成果に基づく臨床実践も行ってきた。近年は低出力レーザー療法(low level LASER therapy;LLLT)の研究を行い、主に圧痛閾値上昇やAδ線維の興奮抑制作用を示しながら、二次感覚ニューロンの興奮性には影響しないことも報告した。しかし未解決な部分も山積し、特に慢性痛に関与するC線維に対する影響は、未検討であると同時に関連報告もほとんどない。本研究ではLLLTの急性痛と慢性痛に対する作用を、神経線維の種類(Aδ線維、C線維)の違いから明らかにするとともに、疼痛緩和を目的としたLLLTの詳細な至適照射条件を確立することを目的とする。
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研究実績の概要 |
令和5年度は、本研究課題の中核をなす神経線維の違い(Aδ求心性神経線維とC線維の違い)に関して、その活動性を鑑別して測定することができる末梢神経検査装置を導入した。初期段階としては、本測定器の調整および仮測定を行いながら、予備検討を実施し研究方法の詳細を検討した。特に、本研究課題では末梢神経検査装置の電極コードの脱着を伴うために、その測定信頼性については若干の不安要素であった。しかし、電極コードの固定方法や位置決めの方法を詳細に決定し、測定部位のマーキングなどを行うことで、支障のない範囲の誤差にとどめられることができ、その方法で測定-再測定信頼性について検証した。その結果、Aδ線維およびC線維ともにICC>0.9の高い信頼性を認めたことから、本測定においても同様の方法で実施可能であることを確認することができた。令和6年3月現在、低出力レーザー照射による、異なる求心性神経線維の活動性に与える影響をAδ線維とC線維の視点で研究を進めている状況である。 本研究課題は、令和5年度まで助成を受けていた研究課題(19K11329)を発展的および継続的に、修正しながら新たな視点も取り入れてレーザー照射による効果を検証するものである。令和5年度には本研究課題および19K11329の助成を受けて得られた成果に関連する論文を2編掲載することができ、加えて1編を投稿中(令和6年3月現在)である。同様に学会にて4演題を発表することができた。特に、低出力レーザー照射による深部組織温上昇の効果や、対側同部位への照射によるconditioned pain modulation効果に関する知見は、本研究課題を検討するうえでも非常に重要な基礎データであり、両課題をシームレスに実施できていることは本課題にとっても有用であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和5年度は必要な研究器材の導入および予備検討を行いながら研究方法の詳細を決定することができた。また、測定―再測定信頼性の検討も実施することができ、本研究課題の本測定を開始した。これらの理由により現状では概ね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、健常成人を対象に出力180mWの低出力レーザー照射によるAδ線維とC線維の求心性神経線維の活動性を末梢神経検査装置によって測定し、両神経線維に対するレーザー照射の基礎データを検討する予定である。加えて、これまでの助成を受けてきた課題番号19K11329で得たデータのうち未解析なものの解析を進めて、本研究課題の情報として整理していきたいと考えている。また、状況によりレーザー照射による組織温や局所循環、自律神経活動の変化などを検討することで、求心性神経線維に与える影響の作用機序検討の基礎データを得ることも考えている。
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