研究課題/領域番号 |
23K10490
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 新潟医療福祉大学 |
研究代表者 |
齊藤 慧 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 講師 (80707315)
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研究分担者 |
宮口 翔太 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 講師 (60780343)
大西 秀明 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 教授 (90339953)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 知覚学習 / 触覚方位弁別 / 反復回数 / 触覚機能 / 記憶の再活性化 / 経頭蓋交流電流刺激 |
研究開始時の研究の概要 |
知覚学習は触覚機能障がいを治癒へと導く可能性がある.しかし,知覚学習にはおびただしい回数の反復練習が必要であり,3人に1人は学習効果が得られない.知覚学習の効果を短時間でより強固なものへと誘う手法である「記憶の再活性化」は,知覚学習に要する時間を飛躍的に短縮する可能性がある.さらに,その効果に関与する神経基盤に基づいた介入ができれば,従来よりもはるかに短い時間で高い知覚学習効果が期待できる.本研究では,記憶の再活性化を応用した知覚学習が触覚機能を向上させるのかを明らかにする.その後,記憶の再活性化に関わる脳領域を同定し,その脳律動活動を増大することで知覚学習効果を増強できるかを明らかにする.
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研究実績の概要 |
特定の知覚刺激を用いた課題を長期間行うことで,その課題に対する習熟が起こり,課題成績が向上する.このプロセスは知覚学習と呼ばれており,この学習理論はリハビリテーション医療にも応用することが可能である.知覚学習理論を用いたリハビリテーション医療によって,触覚機能障がいを回復へと導く可能性がある.しかし,知覚学習理論をリハビリテーション医療へと展開するためには解決すべき問題が残されている.知覚学習にはおびただしい回数の反復練習が必要であると考えられているが,どの程度の反復回数が必要であるのかがわかっていない.さらに,課題の反復回数が増えるにしたがって,学習効果も高くなるのかもわかっていない.そこで,本年度は触覚方位弁別課題をどの程度繰り返し実施すると,知覚学習効果が得られるのかを検証した.触覚方位弁別課題とは幅の異なる縞(0.35, 0.5, 0.75, 1.0, 1.2, 1.5, 2.0, 3.0 mm)が刻み込まれたドーム状の機器を対象者の示指に押し当て,その縞の方位(縦or横)を回答する課題である.結果として,触覚方位弁別課題を3セット(50施行×3=150施行)実施したときに弁別能力が向上しはじめることが明らかとなった.さらに,3セット以降は弁別能力が向上する程度に変化が認められなかった.これらの結果から,触覚における知覚学習にはある程度の課題反復回数が必要であるが,ある特定の反復回数まで到達するとそれ以降の学習効果が横ばいになる可能性が示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
データ計測に遅れが生じた理由として,触覚方位弁別課題を用いた評価方法を変更したことがあげられる.評価方法の変更に伴い,その評価方法の信頼性と妥当性の検証に時間を要したが,現在は評価方法が確立したため,今年度の遅れを挽回できるものと考えられる.
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今後の研究の推進方策 |
今後は脳波データの計測を行い,知覚学習効果に関与する皮質領域を同定していく予定である.
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