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神経系障害動物の脱髄と運動動作の関係性を調べる評価系の開発と経頭蓋電気刺激の影響

研究課題

研究課題/領域番号 23K10492
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分59010:リハビリテーション科学関連
研究機関常葉大学

研究代表者

熊田 竜郎  常葉大学, 保健医療学部, 教授 (00402339)

研究分担者 田中 悟志  浜松医科大学, 医学部, 教授 (10545867)
河崎 秀陽  浜松医科大学, 光尖端医学教育研究センター, 准教授 (90397381)
森下 紗帆  常葉大学, 健康プロデュース学部, 助教 (30614010)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワード経頭蓋直流電気刺激法 / 脱髄疾患モデル / 経頭蓋電気刺激 / リハビリテーション
研究開始時の研究の概要

シナプス形成前の神経活動による可塑性が神経発生や脳梗塞障害後の神経系の再構築に及ぼす影響について調べ、臨床的な治療法として期待される経頭蓋電気刺激の意義について探求している。近年、白質を構成する髄鞘が神経活動に影響を受けることが示唆されてきていることから、脱髄疾患モデル動物で「経頭蓋電気刺激による髄鞘の可塑的な変化と運動障害の回復の間により直接的な関係性があるのか」という問いについて明らかにするとともに「脱髄疾患への治療法への応用の可能性」を探りたい。また同時に高速三次元動作分析と光-電子顕微鏡法により脱髄疾患モデルマウスの運動学的及び組織学的な評価系の改善の確立を目指す。

研究実績の概要

本研究の目的は、脱髄疾患モデルマウスの運動学的及び組織学的な評価系の改善・確立を行い、その評価系を用いて、白質・髄鞘の可塑性という観点で経頭蓋電気刺激の効用を調べることにある。本年度は、各評価系の確立と経頭蓋電気刺激法の条件を設定する研究を実施した。
1)脱髄疾患モデルマウスの定量的動作分析の確立: 進行性の脱髄を起こすcuprizone投与マウスは、多様な神経症状を発症する一つのモデルであるが運動障害については十分に評価されていない。そこで、AIによる深層学習と高速動画撮像による三次元動作分析法を確立し、同モデル動物の定量的な運動評価を行っている。実際には対照群及び脱髄疾患モデルマウスのトレッドミル走行を複数の高速同期カメラで動作分析のための動画を撮像し、Deeplabcutを用いた深層学習による動作分析を試みた。多くの画像を用いて教師あり学習を繰り返し、対象となる関節部位のトレーシングに近づいていたが、過学習の影響が出ており、精度として十分な学習の成立には至っていない。画像データの選別などにより成立を目指して取り組んでいる。
2)組織学的検討の進捗:cuprizone投与マウスを作製し、脳組織切片の作製と髄鞘構造の観察を光-電子顕微鏡解析法で行った。脳内の微細構造を知るためには、厳密な組織の保持や染色条件の検討が必須である。この手法を用いた脳内の微細構造の定量比較を目指し、サンプルの固定条件など基本的な条件を検討した。
3)経頭蓋電気刺激条件の検討:cuprizone投与マウスを作製し、発症後に経頭蓋電気刺激条件の刺激強度、刺激頻度、刺激期間の検討を行った。現段階では、刺激強度と運動機能の回復度合いに関係性があるように見える。上記の運動評価と組織学的評価を基に定量化していきたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

与える実験系を確立した。通電条件については、ラットの電界解析の結果を用いて推測しているなど、まだ検討すべき課題は多いが、刺激範囲、刺激強度などのオーダー単位での検討が出来ていると考えている。特に刺激頻度を考慮して Cuprizone投与モデルマウスに経頭蓋電気刺激を与えて、その後の変化における動物の行動評価をするために、一連の動画を複数の同期カメラを利用して撮像している。しかしながら、この後の動画による運動評価に関わるプログラムの確立に時間を要している。新たな試みのため、この過程には時間を要することは、予め予想をしていたが、多量にラベリング・学習した後にも「過学習」という問題が生じて対応する必要が出ている。

また、動作分析後に麻酔下のマウスから脳を取り出し、脳標本を作製し検討を進めている。髄鞘の変化という微細構造の違いの本質を定量的に調べるためには、脳組織の構造保持が重要である。そのため固定条件など基本的なパラメータを慎重に検討している。

以上、動物の実験系としては計画通り進めているが、その後の評価系の確立に予想以上に時間を要する可能性が出てきているので、上記の進捗状況と判断した。

今後の研究の推進方策

運動評価を通して脱髄疾患モデルマウスへの経頭蓋電気刺激法の効果を調べるためには、まず効率的な深層学習によるマウスの動作分析の系を確立させる。現在、学習を進めることによるモデルの「過学習」の問題を解消するため、教師あり学習の方法に工夫を行い新たにモデル確立を目指している。もし深層学習のモデル成立が難しい場合は、解析時間と手間を要するが、これまで我々が確立をしてきた既存の三次元動作分析での解析を組み合わせることで研究計画を進めたいと考えている。

また、光-電子顕微鏡解析による微細構造の定量評価については、その原理的な限界を考慮しながら定量可能なパラメーターを定めて、既報のデータとの整合性を調べる。その合理性について、まず明確にしてから実際の組織評価に進めたいと考えている。

これらの運動と組織の評価法を確立させて、脱髄疾患モデル動物に対する経頭蓋電気刺激法の効果を検証したい。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] PIT 法による運動皮質梗塞モデルラットにおけるtDCS の役割の検討2024

    • 著者名/発表者名
      熊田竜郎, 森下紗帆, 田中悟志
    • 学会等名
      第101回日本生理学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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