研究課題/領域番号 |
23K10511
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 北海道千歳リハビリテーション大学 |
研究代表者 |
小林 匠 北海道千歳リハビリテーション大学, 健康科学部, 教授 (90774711)
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研究分担者 |
谷口 圭吾 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (90381277)
越野 裕太 北海道大学, 保健科学研究院, 助教 (90748120)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 理学療法学 / リハビリテーション科学 / 足関節捻挫 / 理学療法 |
研究開始時の研究の概要 |
足関節捻挫を繰り返す慢性足関節不安定症の病態は未だ解明されていない。足関節捻挫で生じやすい“距骨下関節”の『構造的不安定性』の影響は不明であり,慢性足関節不安定症の効率的な治療法の開発には,“距腿関節”だけでなく“距骨下関節”の『構造的不安定性』による影響も明らかにする必要がある。 本研究は慢性足関節不安定症における距腿関節・距骨下関節の『構造的不安定性』が,自覚的な不安定感や足関節機能などの『主観的不安定性』や筋機能・バランス能力低下などの『機能的不安定性』に及ぼす影響を明らかにすることで,足関節捻挫の再発予防を目的としたリハビリテーションプログラムの再構築に貢献することを目的とする。
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研究実績の概要 |
本年度は,①前距腓靱帯(ATFL)損傷によって生じる足関節前方不安定性が,足関節捻挫既往者の足関節不安定感や疼痛などの症状にどのように影響を及ぼすか,②ATFL損傷によって生じる足関節前方不安定性が足関節捻挫既往者の足関節背屈可動域や底屈筋力,バランス機能に影響を及ぼすか,の2点に着目して研究を実施した。 ①大学生237名に対するアンケート調査から,複数回の捻挫既往を有し,研究参加に同意の得られた45名を対象とした。不安定感(CAIT)および運動恐怖(TSK-11,FABQ)のアンケート調査,超音波によるATFL撮影,関節運動テスタを用いた足関節前方変位量を計測し,ATFLの正常・異常で各項目を比較し,足関節前方変位量と不安定感・運動恐怖の相関性を解析した。足関節前方変位量は,ATFL正常群より異常群で有意に大きかったが,CAITおよびTSK-11・FABQにATFL正常群と異常群で有意差は認めなかった。また,足関節前方変位量とCAITおよびTSK-11・FABQの間に有意な相関関係は認めなかった。 ②大学生187名に対するアンケート調査から,足関節捻挫既往がなく超音波所見においてATFLが正常と判定された10名,足関節捻挫既往がありATFLが正常と判定された11名,足関節捻挫既往がありATFLが異常と判定された11名を対象とした。足関節前方変位量,荷重位足関節背屈可動域,等尺性足関節底屈筋力,重心動揺計による片脚バランス,Y-balanceテストを測定した。足関節前方変位量は,ATFL異常群で有意に大きかったが,可動域や筋力,バランス機能に三群間で有意差を認めなかった。 これらの結果から,ATFLの異常所見は足関節前方不安定性を生じさせるものの,足関節捻挫既往者の不安定感や運動恐怖,さらには足関節背屈可動域,底屈筋力,バランス機能への影響は少ない可能性が考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は当初の計画通りに実験を遂行することができた。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は,前距腓靱帯損傷が足関節捻挫既往者の足関節底屈筋群の筋弾性に影響を及ぼすかについて検討する。 当該項目に関してはプレ実験が完了しており,本実験を実施できる予定である。 また,距骨下関節の不安定性評価法の確立を目標としたプレ実験を進める。
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