研究課題/領域番号 |
23K10536
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
眞野 智生 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (70778026)
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研究分担者 |
井口 直彦 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (50838232)
杉江 和馬 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (60347549)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 脳血管障害 / 深層筋センシング / 機能的電気刺激 / 神経リハビリテーション / 有限要素解析 |
研究開始時の研究の概要 |
今回は複数筋からのセンシングと複数筋の時間差での出力を目指し、世界初の随意運動介助機能的電気刺激を創出するための、歩行時の筋活動について表層筋電図のみならず、表層筋電図を有限要素解析し、数理モデルから深層筋の筋電位伝導シミュレーションを行い、歩行のプログラミングを完成させる。歩行をスーパーマルチチャネル表層筋電図にて、表層筋を測定し、深層筋の深さを超音波にて計測し、筋活動の減衰度から深層筋の筋活動を数理学的に解析する有限要素解析を実施するとともに、歩行のミリ秒単位の動きと深層筋解析の技術を確立する。
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研究実績の概要 |
脳卒中、脳腫瘍などの脳疾患の片麻痺の歩行障害はADLの低下に寄与するだけでなく、装具や杖などを要することから、社会参加への制限による精神衛生にも影響を与える。医療面としては脳、脊髄疾患罹患後などの運動機能低下や喪失に対するリハビリテーション治療が近年飛躍的に進歩している。近年、歩行支援ロボット、装着型ロボット、運動介助機能的電気刺激を用いることで更なる運動機能再獲得が期待されているが、リハビリテーション訓練としては使用できるが、実生活の歩行獲得までには至っていない。現在の歩行解析では、表層筋肉のみの解析にとどまっており、深層筋肉を含めた解析ができていないことも大きな要因である。また、複雑な筋活動はミリ秒単位の変動であり、その詳細がプログラミングできていない。そして、健常歩行に近づいたプログラミングの影響で、障碍者が獲得した代償運動を無理に分解していることも原因と考える。 機能的電気刺激は患者の筋由来の生体電位を感知し、同一もしくは他の筋肉への電気出力を行うことで歩行をアシストできる。これに、表層のみでなく深層筋の有限要素解析を用いたて分析 とミリ秒単位の刺激技術を追加すれば、立脚期・遊脚期の下肢筋力が安定し、下肢装具からの脱却が可能と考える。 申請者は、「深層筋解析を基盤として脳卒中後の歩行障害に対して最善な歩行機能を再獲得する」という学術的「問い」に答えるため、簡易筋電計でのバイオフィードバックを行う随意運動介助機能的電気刺激を改良し、装着前後での歩行解析を行うことで、機能的評価を試みる。センサは表層筋のみならず、深層筋からもセンシングを行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
深層筋センシングの準備及び実装を行い、数理モデルを構築した。
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今後の研究の推進方策 |
脳卒中後患者に対して表層筋電図による表層筋と深層筋による歩行解析を行い、新たな刺激及び計測電極の追加を行う。 申請者は健常者の歩行をスーパーマルチチャネル表層筋電図にて、表層筋であるヒラメ筋・腓腹筋と前脛骨筋、大腿の大腿四頭筋と大腿二頭筋に設置し、歩行時の筋活動を記録する。筋活動の部位の深さを超音波にて計測し、深層筋の筋活動の減衰度から深層筋の筋活動を数理学的に解析する有限要素解析を実施するとともに、歩行のミリ秒単位の動きと深層筋解析の技術を確立する。次に、脳卒中後の麻痺を呈する片麻痺患者においても同様の解析を行い、健常人との表層筋、深層筋の筋活動の違いを検討し、障害された筋活動を同定するとともに代償動作のメカニズムを解析する。
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