研究課題/領域番号 |
23K10541
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
池田 沙穂 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (20973259)
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研究分担者 |
安保 雅博 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (00266587)
羽田 拓也 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (10794943)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 失語症 / MIT / 言語療法 / 高次脳機能障害 / 神経学的音楽療法 / fMRI / 脳血流シンチグラフィ |
研究開始時の研究の概要 |
失語症は、単なるコミュニケーション障害ではなく生活や社会環境を大きく変えてしまう 障害であり失語症治療の有益性は非常に高い。MITは、世界的に注目を集めている失語症音楽療法であるが、脳画像検査を用いた論文は数人規模や症例報告が主で数十人規模の報告はない。本研究の目的は、MITの有用性を、数十例規模の脳画像検査結果を用いて実証することである。 具体的には①治療前にfMRIで患者の言語機能部位を特定、②MITを施行し治療前後の神経心理学的検査及び脳血流シンチグラフィの変化を確認、③治療後fMRIで言語機能部位が移動するかを検証する。本研究は失語症治療のテーラーメイド化にも大きく貢献しうる。
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研究実績の概要 |
昨年度の研究実績は、研究の基盤となる手技や解析法などの準備をすすめたことにある。研究の根幹にあるMIT(Melodic Intonation Therapy)手技獲得のため、日本MIT協会の実施する講習会に参加しMITトレーナ資格を取得した。またABiS拡散MRI解析支援拠点の主宰する脳画像解析チュートリアルに昨年度も参加し、本研究のアウトカムであるfMRIの解析に必要な知識を習得した。解析用のパソコンを購入し、Matlab・Pythonの実装、DICOM~Niftiファイルへの変換ソフト、fMRI画像の解析ソフト、SPECT画像の解析ソフトの導入、解析の前準備を行った。昨年度勤務となった回復期病棟では当初の研究計画に沿った慢性期MIT集中訓練・画像的な前後評価の施行は困難であるため、神経学的心理検査をアウトカムとしたMITの実地を計画中であり、今年度5月より実施予定である。また研究協力機関である品川リハビリテーション病院で脳出血患者の発語失行症例に対し、亜急性期にMITを施行し神経学的心理検査で改善を認め、ほぼ発語がなかった段階から常套句や単語レベルの発話改善につなげた一例について今年度症例報告予定である。本研究の対照群として、同じ慢性期のプログラムで通常の言語聴覚療法を施行した群についてSPECTの解析を行い報告予定である。 また、音楽療法の副次的効果として意欲やアパシーの改善があげられるが、その点に着目した集団言語・音楽療法も昨年度実施開始し、意欲やうつ尺度、QOLに関する項目をアウトカムとし実施継続、今年度以降報告予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
昨年度から今年度の勤務地である回復期病棟では当初の研究計画に沿った慢性期MIT集中訓練や画像的な前後評価の施行が困難であり、当初の計画より遅れる結果となった。 また自身が冠攣縮性狭心症を発症し、入院、療養を余儀なくされたため当初の研究計画より遅れを認めてしまった。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度勤務となった回復期病棟では当初の研究計画に沿った慢性期MIT集中訓練・画像的な前後評価の施行は困難であるため、神経学的心理検査をアウトカムとしたMITの実地を計画中であり、今年度5月より実施予定である。また研究協力機関である品川リハビリテーション病院で脳出血患者の発語失行症例に対し、亜急性期にMITを施行し神経学的心理検査で改善を認め、ほぼ発語がなかった段階から常套句や単語レベルの発話改善につなげた一例について今年度症例報告予定である。本研究の対照群として、同じ慢性期のプログラムで通常の言語聴覚療法を施行した群についてSPECTの解析を行い報告予定である。 また、音楽療法の副次的効果として意欲やアパシーの改善があげられるが、その点に着目した集団言語・音楽療法も昨年度実施開始し、意欲やうつ尺度、QOLに関する項目をアウトカムとし実施継続、今年度以降報告予定である。また来年度以降の本来の研究計画案に沿ったMIT実施と画像評価のための下準備を引き続き行っていく予定である。
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