研究課題/領域番号 |
23K10548
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 大阪保健医療大学 |
研究代表者 |
大西 環 大阪保健医療大学, 言語聴覚専攻科, 教授 (70747047)
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研究分担者 |
柴本 勇 聖隷クリストファー大学, リハビリテーション学部, 教授 (30458418)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 喀痰吸引教育 / 養成教育 / 言語聴覚士 / 吸引手技 / 喀痰吸引 / 頭頸部3次元模型 / ホログラムスクリーン / リハビリテーション教育 / 教材開発 |
研究開始時の研究の概要 |
喀痰等の吸引は、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が実施できる行為として取り扱われているが、その教育に関する検証は不十分である。咽頭は、X線造影、内視鏡、喉頭鏡等医行為を行わなければ観察できない。加えて、教科書の2次元の絵や写真では初学者が人体の構造を理解することが難しく、結果的に「食べる機能やメカニズム」について十分な理解が得られないまま観察や指導が行われているという課題がある。本研究では、申請者らが既に開発した頭頸部3次元模型に映像を投射し、リアリティーのある吸引手技教育教材とその教育方法の開発を行う。
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研究実績の概要 |
1.喀痰吸引教育の現状と課題を把握する目的で文献による情報収集を行った。厚生労働省が2010年に理学療法士、作業療法士、言語聴覚士(ST)が喀疲吸引を行うことを業務の一部と見なしうるとして以来、養成教育や医療・福祉現場で喀痰吸引教育が行われている。しかし、その内容は、養成校や病院独自の基準で行われており様々であった。ST養成課程における喀痰吸引教育に関する実態調査は、約10年前の報告以来見受けられない。STが対象とする疾患や病期が拡大する中、喀痰吸引教育のあり方を検討するため、ST養成校での喀痰吸引教育の現状把握が必要である。一方、介護福祉士については、一定の条件のもとで喀痰吸引(医療的ケア)を行うことが可能となったことを受け、厚生労働省によって喀痰吸引教育に関する制度が設けられ、第一号研修、第二号研修、第三号研修が実施されている。 2.喀痰吸引の教育内容に関する情報収集を行い、開発する教育プログラムで重視すべき内容や含めるべき内容について検討を行った。ガイドライン等の代表的なものとして、厚生労働省による「喀痰吸引等指導者マニュアル」、日本呼吸療法医学会による「気管吸引ガイドライン2013」、日本理学療法士協会「吸引プロトコル」、日本作業療法士協会の「喀疲吸引に対する基本的な対応」がある。このほか、各病院等で作成されているプログラムがある。 3.頭頚部3次元模型を用いて吸引手技を教育する方法を検討した。2次元教材と3次元教材について、頭頚部模型、視聴覚教材や吸引シミュレーターに関する情報収集を行った。吸引手技教育で受講者が難しいと感じる項目は、吸引チューブの挿入、患者観察とその評価、清潔操作、解剖学、生理学等の知識などの報告がある。 4.全国のST養成校を対象とした喀痰吸引教育に関するアンケート調査を計画した。質問項目を検討し、アンケート用紙を作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
より有効な教育プログラムの開発のため、言語聴覚士養成校での喀痰吸引教育の現状を把握する必要性があると考え、アンケート調査を計画した。その検討にやや時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
全国のST養成校を対象としたアンケート調査から、現在行われている喀痰吸引教育の内容や課題を明らかにし、その結果をふまえて3次元模型を用いた教育内容を更に検討する。3次元模型へのホログラムスクリーンの投射について、どのような映像が適切かを検討する。正常嚥下のメカニズム、誤嚥や咽頭残留の映像、吸引カテーテルの良い挿入の動き、吸引カテーテルの悪い挿入の動きについて、映像の作成を行う。アンケート調査については、必要に応じ入力作業をアルバイトに依頼することも検討し、計画的に進められるよう工夫を行う。
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