研究課題/領域番号 |
23K10551
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
田平 陽子 久留米大学, 医学部, 講師 (00723983)
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研究分担者 |
田中 真一 令和健康科学大学, リハビリテーション学部, 准教授 (30610969)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | ヒラメ筋静脈 / ヒラメ筋の矢状腱板 / 肉眼解剖 / 深部静脈血栓症 / 超音波検査 / スクリーニング |
研究開始時の研究の概要 |
深部静脈血栓症(DVT)が肺動脈に移動すると肺血栓塞栓症(PTE)を引き起こすことがある。DVTはヒラメ筋静脈でよく起こり、不動により血液が滞留しやすくなる。超音波検査では、DVTの診断において、ヒラメ筋の内部に矢状腱板が頻繁に描出される。この矢状腱板は、ヒラメ筋静脈の走行を決定づける可能性がある。申請者は、これまでに矢状腱板の形と厚みによって、ヒラメ筋静脈の交通枝が異なることを示した。本研究の目的は、矢状腱板の形と厚みによってヒラメ筋静脈の静脈網が異なるかどうかを調べ、DVTが発生しやすい要因を明らかにすることである。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、ヒラメ筋静脈の静脈網は矢状腱板の形と厚みでどのように異なるのか調査し、ヒラメ筋静脈にDVTが生じやすい要因を解明することである。そのために、以下の4項目について明らかにする計画を立案した。①ヒラメ筋静脈の走行は矢状腱板の形や厚みに影響を受けているか、②ヒラメ筋静脈の交通枝の本数と位置は矢状腱板の形や厚みに影響を受けているか、③シール固定法の解剖体に対して超音波検査を実施し画像を得て、その画像の精度を肉眼解剖所見と比較し、生体での超音波検査の測定項目を立案する、④本研究で立案した超音波検査の測定項目を生体で評価し、ヒラメ筋静脈の静脈網が矢状腱板の厚みと形に影響を受けているか解明する。本研究によって、ヒラメ筋静脈が矢状腱板の厚みと形に決定づけられているかを解明することができ、DVTのスクリーニング検査としてヒラメ筋の矢状腱板の形からDVT発生リスクを予測する新たな検査方法を得ることが期待される。 2023年度は計画通りにヒラメ筋静脈と矢状腱板の調査を実施した。ホルマリン固定の解剖体10体20肢を対象とし、性別は男性3名女性7名であった。計測項目は、中央静脈の内側・中央・外側枝の走行部位、径である。さらに、矢状腱板を介した交通枝の本数、径、位置を確認および計測した。加えて、ヒラメ筋の矢状腱板の形状調査として、矢状腱板の形は、ストレート型とカーブ型に分類している。調査を実施するとヒラメ筋静脈が筋の浅層と深層に分かれて走行している可能性が示唆された。この調査内容は、2024年の国際学会(AACA2024)にて報告し、専門家との意見交換を通じて、最終的な目標である超音波検査の測定項目に活かす予定である。2024年度は、ホルマリン固定解剖体での調査を継続することとシール固定法での解剖体を対象に調査を実施する計画である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通りの対象数でホルマリン固定の解剖体での調査が実施できている。しかし、当初は性別を男女同一と予定していたが解剖体に女性が多く、統一できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、ホルマリン固定の解剖体の調査を実施することと、シール固定法の解剖体の調査を新たに実施していく予定である。ヒラメ筋および静脈の走行といった解剖学の調査を学ぶために、6月から9月はTulane大学に研究員として留学し、世界的に著名な教授のもとで最先端の研究手法を学ぶ計画である。
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