研究課題/領域番号 |
23K10593
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 帝京平成大学 |
研究代表者 |
掛川 晃 帝京平成大学, ヒューマンケア学部, 教授 (30544275)
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研究分担者 |
福島 菜奈恵 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (90334888)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 足関節外側靭帯複合体 / 距骨下関節 / 踵腓靭帯(CFL) / CFL groove / 肉眼解剖学 / 超音波画像 / 足関節不安定症 / 制御機能 / 靭帯 / 肉眼解剖 |
研究開始時の研究の概要 |
足関節捻挫を繰り返す足関節不安定症の病態メカニズムは未だ解明されていない。その理由として、距骨下関節を制御する靭帯の構造特性および制御機能が解明されていないことが挙げられる。 本研究では、解剖実習体の足部を対象とし、距骨下関節を制御する靭帯の力学的な構造特性を肉眼解剖および組織学的視点から明らかにする。さらに、距骨下関節を制御する靭帯の損傷モデルを作成し、3軸加速度/角速度センサを用い、不安定性を定量化し、靭帯の制御機能を解明することが目的である。本研究で得られる距骨下関節靭帯の構造特性と制御機能の知見は、新たな診断法の確立につながり、臨床応用が期待できる。
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研究実績の概要 |
足関節外側靭帯複合体を構成する踵腓靭帯(CFL)は、距骨下関節の動きを制限する靭帯の一つである。CFLは腓骨筋腱の深層を曲がりながら走行し、距腿関節および距骨下関節の動きに応じ、形態を変えながら関節の動きを制御している。2023年度は、以下の3点を明らかにすべく研究を実施した。①足部(距腿関節・距骨下関節)の動きに応じたCFLの形態変化および制御機能を明らかにする。②CFLの腓骨付着部の骨形態を明らかにする。③超音波画像装置で評価する際の目印となるCFLの腓骨付着部の骨形態を明らかにする。 2023年度は、以下のような結果が得られた。 ①信州大学医学部の解剖実習体の60足を対象とし、足関節外側の軟部組織・腓骨筋腱・腓骨筋腱鞘を除去した後、CFLを丁寧に剖出した。足関節を他動的に底屈・背屈・底屈+外旋、回外にし、CFLの状態をデジタルカメラで撮影し、伸長される部位を肉眼的に明らかにした。足関節の動きや肢位に応じてCFLの伸長される部位は異なっていた。 ②解剖実習体の足部のCFLおよび腓骨を一塊として採取し、CFLや軟部組織を除去した後、実体顕微鏡および3Dスキャナーを用いて腓骨付着部の骨形態を明らかにした。CFLの腓骨付着部の下方には約90%で溝が確認された。 ③健常大学生の足部を対象とし、超音波画像装置を用いて、CFLの腓骨付着部の骨形態を短軸像で評価した。約82%にCFLの腓骨付着部下方に溝が観察された。我々はこの溝をCFL grooveと名付け、CFLの腓骨付着部周囲を示す目印になる可能性を提唱した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
距骨下関節を制御する靭帯の一つである踵腓靭帯(CFL)の腓骨付着部周囲の構造および制御機能の一部(どのような動きでCFLは緊張するのか)を明らかにすることができた。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度以降は以下の項目を明らかにするため研究を実施する。 1)踵腓靭帯と腓骨筋腱鞘の相対的な解剖学的構造を明らかにする。 2)距骨下関節を制御する靭帯で主となるA)骨間距踵靭帯 B)頚靭帯の解剖学的構造特性を肉眼解剖および組織学的手法を用いて明らかにする。 3)A)骨間距踵靭帯、B)頚靭帯が足部の動き(足関節・距骨下関節)に応じて、どの肢位で緊張するのか明らかにする。
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