研究課題/領域番号 |
23K10608
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 愛知教育大学 |
研究代表者 |
鈴木 英樹 愛知教育大学, 教育学部, 特別教授 (40235990)
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研究分担者 |
北浦 孝 福山大学, 経済学部, 教授 (00143868)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 筋萎縮 / ギプス固定 / Cross-education / 筋力トレーニング / ラット / 筋萎縮軽減 / クロンブテロール |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,はじめにCross-education(CE)による筋萎縮軽減作用を明らかにするために,ラットを用いて片側後肢に包帯式ギプスを行い,非固定脚に運動を課す場合と課さない場合で,両群の固定脚の筋萎縮の程度を調べる. また,CEとクレンブテロール(CLE)投与による筋萎縮軽減の相乗効果を明らかにするために,片側を固定して,対側肢に運動を課したうえにCLEを投与して,投与しない場合と比較する. 研究では,遅筋としてヒラメ筋,速筋として足底筋を被験筋として,生理的・組織化学的分析を行う計画である.これにより,CE による萎縮軽減に伴う機能的,形態的,代謝的変化を明らかにする計画である.
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研究実績の概要 |
Cross-educationとは,片側肢での筋力トレーニングが対側の非トレーニング肢の筋力を高めたり,骨格筋の肥大を誘発する現象である.本研究ではこのCross-education効果を応用して,片側の筋力トレーニングが固定した対側の非活動筋での筋萎縮を抑制できるかを調べることを目的としている. 本年度は,ラットの後肢の片側肢を固定し,対側肢にアイソメトリックトレーニングを行い,Cross-education効果が観察できるかを検証した.後肢固定は,足関節をナチュラルポジションで包帯式ギプスを用いて固定し,2週間行った.被験として長指伸筋,前脛骨筋,ヒラメ筋,足底筋,外側腓腹筋,内側腓腹筋を用いたが,いずれの骨格筋も顕著に萎縮を示したことから,採用した固定方法は妥当であったと考えられた.トレーニングは,先行研究に従い金網製のチューブ内にラットを入れ,錘を含めた自重を片側肢で支持する方法を用いた.トレーニング群の各骨格筋の相対的筋重量は非トレーニングに比べて高い値を示したことから,採用したトレーニングは肥大を誘発させる強度であったと考えられた. 片側トレーニングを行った群の固定脚の骨格筋は非トレーニングの固定脚に比べて高い値を示していたことから,Cross-educationによる萎縮抑制作用があったことが示された.なお,筋サンプルの保存の失敗により,一回目の実験で得られた筋サンプルの組織化学的分析は不可能になったため,再実験を行い,それらの筋サンプルを用いた組織化学的分析を現在行っている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初,一回目の固定及びトレーニング実験は順調に行われたが,サンプリングの際の不手際から組織化学的分析を行うことができなかったため,再度,同様な固定及びトレーニング実験を行った.現在,2回目の実験も終え,筋サンプルも問題なく得られたことから,組織化学的分析に取り組んでいる.
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今後の研究の推進方策 |
当初,被検筋は速筋として足底筋,遅筋としてヒラメ筋の2つの筋を用いる予定であったが,摘出した他の筋においても固定およびCross-educationの影響が異なる可能性が判明した. 対象筋によってCross-educationの影響が異なる報告は,知る限り組織化学的分析で報告されていない.したがって,まずは,組織化学的分析を行う被検筋の種類を追加することにした.他の分析に関しては,組織化学的分析の結果が得られてから進めたいと考えている.
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