研究課題/領域番号 |
23K10611
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 県立広島大学 |
研究代表者 |
山岡 雅子 (遠藤雅子) 県立広島大学, 人間文化学部, 教授 (30336911)
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研究分担者 |
福場 良之 広島国際大学, 健康スポーツ学部, 教授 (00165309)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 低糖質高脂肪食 / 血管内皮機能 / 糖代謝 / 脂質代謝 / 朝食 / 運動強度 |
研究開始時の研究の概要 |
習慣的な朝食欠食は循環器疾患の発症リスクを高める。循環器疾患発症は血管内皮機能不全に端を発した動脈硬化発症が主要因となる。朝食欠食による昼食後の高血糖は血管内皮障害を誘発する可能性がある。さらに,昼食後の糖・脂質代謝は,朝食に含まれる主要栄養素のみならず午前中の運動にも強く影響されるが,欠食を含む朝食の内容と運動強度の組合せが昼食後の血管内皮機能へ及ぼす影響への検討は皆無である。本研究では,朝食の内容や午前中の運動強度の違いが昼食時の糖・脂質代謝と血管内皮機能に及ぼす影響を明らかにし,そのメカニズムの解明に取り組む。本研究は循環器疾患発症予防ために効果的な食・運動習慣の新規的提案につながる。
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研究実績の概要 |
朝食欠食は血管内皮機能を低下される可能性がある。しかし,血管内皮機能を改善させるための朝食の内容については,未だ詳細は明らかにされていない。近年,減量や糖尿病予防・改善のためにPFCバランスを調整しながら,無理なく糖質を制限する低糖質食が注目されている。しかし,食事中の糖質量を減らすことは脂質量の増加につながるため、低糖質食は正しくは低糖質高脂肪食となる。低糖質高脂肪食は,血糖値やインスリン上昇の抑制と遊離脂肪酸やLDLコレステロールの増加の両面をあわせもつ。さらに,この食事による脂質代謝の亢進は血管内皮機能を低下させる可能性が報告されている。したがって、低糖質高脂肪食の長期的な有効性・安全性を評価するためには,血管内皮機能の観点から検討が必要である。そこで本研究では,朝食に含まれる主要栄養素の違いが昼食後の糖・脂質代謝と血管内皮機能にどのような影響を及ぼすのかについて検討した。 健康な若年成人男女8名が実験に参加した。被験者は低糖質高脂肪(LCHF条件)あるいは高糖質低脂肪(HCLF条件)の朝食を摂取した。対象として,朝食欠食の条件を行った(C条件)。また、被験者は全ての条件で規定された同一の昼食を摂取した。 血管内皮機能は条件間で有意な差はみられなかった。昼食後の胃内容排出は,HCLF条件と比べて,LCHF条件で遅延した。朝食摂取後の血糖値およびインスリンは,HCLF条件と比べてLCHF条件で抑えられていたが,昼食後は反対の結果であった。遊離脂肪酸は,HCLF条件と比べて,CとLCHF条件で上昇した。トリグリセリドは,CとHCLF条件に比べて,LCHF条件で上昇した。朝食に低糖質高脂肪食を摂取した後,昼食に一般的なPFCバランスの食事を摂取すると,遊離脂肪酸や中性脂肪の上昇のみならず,血糖値やインスリンにも過剰な上昇がみられたが,血管内皮機能の有意な低下は認められなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請書作成時に予定していた令和5年度「朝食に含まれる主要栄養素の違いが昼食後の糖・脂質代謝と血管内皮機能に及ぼす影響」の実験を行うことができた。ただし、被験者数が8名と予定の12名より少ないため、令和6年度は被験者数を増やす予定である。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、令和5年度の実験の被験者数を増やすことと、新たな実験として、朝食を欠食した状態で午前中に実施する運動強度の違いが昼食後の糖・脂質代謝と血管内皮機能に及ぼす影響について検討する。低強度運動と比較して,高強度運動では食事と類似した糖代謝を引き起こし,その結果,昼食後の高血糖が抑制され,血管内皮機能の低下が抑制されるのか否かを検討する。
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