研究課題/領域番号 |
23K10621
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
笹木 正悟 東海大学, 体育学部, 特任准教授 (30563473)
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研究分担者 |
永野 康治 日本女子体育大学, 体育学部, 准教授 (00548282)
小山 孟志 東海大学, 体育学部, 准教授 (90734830)
市川 浩 西九州大学, 健康福祉学部, 准教授 (20375463)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 中学生 / サッカー / 加速度 / 外的負荷 / 非対称性 / オーバーユース障害 / 左右差 / メカニズム |
研究開始時の研究の概要 |
成長期の膝オーバーユース障害は子どものスポーツ参加機会を奪う最大の障壁であり、痛みは片側性、特に「非利き足(ボールを蹴りやすい脚と反対側)」に多く出現する。本研究は、試合で繰り返す高衝撃負荷を片足ずつ分けて定量評価し、片側性に多発する膝オーバーユース障害の発生機序を探ることを目指す。中学生サッカー選手が試合中に生じる高衝撃負荷を「利き足」と「非利き足」に分けて評価し、衝撃負荷の非対称性が膝オーバーユース障害の発生に結びつくのか、横断的・縦断的に検討を行う。
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研究実績の概要 |
1年目となる令和5年度は、研究全体の基盤となる疫学調査とラボ研究をまとめたうえで、パイロットデータの分析と検討を行った。【疫学調査】中学生男子サッカー選手の保護者600名を対象として、子どもの膝成長痛および関連する危険因子についてアンケート調査を実施した。過去1年以内に膝成長痛を経験した選手は全体の21.0%であり、1週間の合計練習時間が主たる危険因子として抽出された(オッズ比:1.047、カットオフ値:12.5時間/週)。【ラボ研究】中学生サッカー選手19名を対象とし、20 cm高台からフォースプレートに飛び降りる片脚ドロップ着地テストを実施した。鉛直床反力の最大値について、非利き脚(442%体重)は利き脚(386%体重)に比べて有意に高かった。また、鉛直最大床反力の大きさを出現時間で除したloading rateについて、非利き脚(8.8%体重/ミリ秒)は利き脚(6.8%体重/ミリ秒)に比べて有意に大きく、非対称性の程度を示すsymmetry angleは7.13と最も高かった。【パイロットスタディ】中学生サッカー選手7名を対象として、サッカー試合中に生じる体幹加速度を計測した。合成加速度が6G以上となる高加速度場面およびその時の接地脚をビデオ映像から判定した結果、非利き脚(3.80回/分)は利き脚(3.23回/分)に比べて高衝撃でのプレーが多い傾向を示した。特に、ランニング中の非利き脚(0.86 回/分)は利き脚(0.54 回/分)に比べて高加速度発生頻度が約1.6倍高く、サッカー試合中のランニングでは非対称的な衝撃負荷を呈しやすい実態を確認した。このように「非利き脚」へ外的負荷が集中することは、片側性に発症しやすいオスグット病の誘発事象になると推察される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和5年度は、基盤となる疫学調査・ラボ研究から本課題に対する問題提起をできた一方で、当初計画していたデータ収集を思うように進めることができず、次年度以降の課題となった。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、スポーツ現場の指導者と連携しつつ、加速度データ収集を確実に推進していく。また、膝オーバーユース障害(成長痛を含む)の既往歴を調査するとともに、前向きなフォローアップを行っていく予定である。
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