研究課題/領域番号 |
23K10623
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 南山大学 |
研究代表者 |
加藤 孝基 南山大学, 体育教育センター, 准教授 (10750771)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 運動神経 / リラックス / 発育発達 / TMS / 運動学習 / 筋弛緩 |
研究開始時の研究の概要 |
スポーツの現場では、“リラックスは難しい”といわれている。これまで申請者は、リラックス(弛緩)が難しくなる神経メカニズムや、弛緩を行う能力には個人差があることを明らかにした。一般的に、運動能力や機能回復能力には個人差があり、いわゆる“運動神経が良い”と呼ばれる人が存在する。スポーツ現場では、弛緩が上手な人は、運動神経が良いと経験測で言われているが、その因果関係は明らかにされていない。本研究では、まず①弛緩が上手に出来る人、出来ない人の神経メカニズムを明らかにする。また、②それぞれの被験者の運動神経の良し悪しを様々な指標を用いて評価し、弛緩の能力や弛緩時の神経メカニズムと比較する。
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研究実績の概要 |
日常生活やスポーツ観戦において、「運動神経が良い」という会話が頻繁に行われる。この際の“運動神経”とは、いわゆる“体力・運動能力の総合的評価”や、“あらゆるスポーツを遂行する能力”を指し示した抽象的な言葉であるが、実際に、あらゆるスポーツが得意な人もいれば不得手な人も存在する。では、このいわゆる「運動神経」を規定する要因は何なのだろうか。そこで、主観的な総合運動能力(いわゆる運動神経)に関わる要因を明らかにすることを目的として研究を行った。421名の大学生を対象に、主観的な総合運動能力と種々のスポーツ種目の主観的運動能力、性格特性、家庭環境、競技成績について質問を行った。アンケート調査の結果、主観的な総合運動能力とサッカー・バレーボール・バスケットボールの主観的能力は強く相関することが明らかとなった。また、重回帰分析の結果、Grit、Resilience、知能感等の性格特性、余暇時間の過ごし方、きょうだい構成、これまでの運動経験、両親の総合運動能力、世帯年収、他人からの「運動神経がいいね」という言葉をもらう頻度、歩き始めた年齢等、様々な要素が主観的な総合運動能力(いわゆる運動神経)に関連していることが明らかとなった。これらのことから、運動神経の良し悪しを決める要因を明らかにするためには、包括的な視点から検討する必要がある。本研究で明らかにした運動神経とその関連因子との関係をもとに、運動神経に関わる要因をさらに検討していくことで、運動神経を規定する要因の解明につながると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「運動神経」について包括的に明らかにするために、初年度に大規模なアンケート調査を行った。おおむね当初の予定通り進んでいると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
“運動神経”を規定する要素として「運動能力」「あらゆるスポーツを実行する能力」「初めて行う動作を遂行する能力」の3つを挙げ、2023年度に行ったアンケート実施者から数名を選定し、これらの能力を測定する。そのために、筋力・筋持久力・瞬発力・心肺持久力・敏捷性・平衡性・柔軟性(文部科学省)の各テストを行う。また、アンケート回答およびVAS(Visual Analog Scale)により、様々な球技種目を含むあらゆるスポーツを実行する能力を評価し、これらが他者評価と合致するか検証も行う。さらに、運動学習の研究で頻繁に用いられる、タッピング動作やジャグリング動作、球回し動作等を未経験状態から行い、その学習速度を、二次元および三次元動作解析システムを用いて測定する。これら多くの指標から、各被験者の運動神経の良し悪しを、近似的に数値化する。その値と、2023年度に得られたアンケート結果による主観的運動能力値とを比較検討する。
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