研究課題/領域番号 |
23K10626
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
秋山 英久 岡山理科大学, 情報理工学部, 講師 (20533201)
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研究分担者 |
中島 智晴 大阪公立大学, 大学院情報学研究科, 教授 (20326276)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | サッカー / 視覚探索行動 / 模倣学習 / VR / エージェントシミュレーション |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、チームスポーツを対象として、意思決定において重要となる視覚探索行動を定量的に評価可能とする仕組みと手法の研究開発を行う。従来、チームスポーツにおける視覚探索行動研究では、多様かつ大量のデータ収集が困難であった。本研究で提案するシステムでは、仮想空間内で行われるサッカー競技に対する人間の視覚探索行動を、VRデバイスを用いて計測する。更に、その計測データから模倣学習した方策を用いて、大量の試合データ生成をエージェントシミュレーションによって行う。大量の試行によって得られたデータを利用し、視覚探索行動に対する定量的評価を実現する。
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研究実績の概要 |
サッカーにおける人間の意思決定を模倣するためのアルゴリズム開発、および、VRデバイスを用いた没入型可視化システムのプロトタイプ開発を進めた。また、サッカーのプレイデータ生成シミュレーションシステムを整備した。 サッカーにおける人間の意思決定を模倣することを目的として、人間が行動の良しあしを判断した結果を訓練データとするアプローチを試みた。具体的には、サッカーの部分タスクとして動いているボールを追いかける行動に着目し、戦術的により有利になる目標状態を決定するための評価関数を獲得させた。学習手法として勾配ブースティング木を用いることで、既存の選手プログラムの動きを模倣させることができた。実験結果から、人間でも作成可能なデータ量で実用的な性能が得られることが示唆された。 VRデバイスを用いた没入型の試合可視化システムの開発を進めた。このシステムは選手に近い視点でサッカーの試合を観察可能とすることを目的としいる。仮想空間内でのボールの動きや選手の身体的動作をより現実的なものとして観察できる表示形式を検討した。シミュレータが生成した試合データや人間サッカーの試合データを読み込み、仮想空間内で再生する機能が実現できている。実装したプロトタイプを用いた被験者実験を行い、再生機能に対する評価を行った。 計算機シミュレーションによってサッカーの試合データを生成するシステムを構築した。具体的には、ネットワークで接続した複数台の計算機を用いてサッカーシミュレータを分散実行し、大量の試合を効率的に実行する仕組みを設計・開発した。さらに、実行した試合の結果を集約・可視化するためのデータベースおよびウェブインタフェースを試作した。構築したシステムを用いて実際にデータ生成を行い、人間サッカーに換算すると約8667試合分に相当する試合データを蓄積した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
人間サッカーの試合データから模倣学習を行う予定であったが、人間サッカーのデータ利用における契約の都合から、データの利用開始を延期している。代替手段として、シミュレータが生成したデータを用いたデータ分析実験とアルゴリズムの検討を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、人間の意思決定を模倣するアルゴリズムの改良を進める。仮想空間内で試合観察を行うシステムの完成度を高め、試合に没入した状態での人間の行動データの計測と蓄積を進めていく。人間サッカーの試合データを用いる実験については、調達できる範囲でのデータで検討を進める。 VRデバイスによる試合再生機能の調整を進め、視覚探索行動の計測機能を完成させる。大量の計算機シミュレーションを実行する仕組みの構築は完了しているため、より多くの計算資源を調達し、模倣した視覚探索行動を定量的に評価する方法を検討していく。視覚探索行動を評価する具体的な指標は未知であるため、実際のサッカー経験者の意見も取り入れながら、より効果的な指標を見つけることを目指す。
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