研究課題/領域番号 |
23K10632
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
谷川 聡 筑波大学, 体育系, 准教授 (60400660)
|
研究分担者 |
仙石 泰雄 筑波大学, 体育系, 准教授 (30375365)
福田 崇 筑波大学, 体育系, 准教授 (30375472)
北原 格 筑波大学, 計算科学研究センター, 教授 (70323277)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | フィジカルデータベース / ジュニアユース・ユース / スポーツ障害 / 成熟度 / フィジカルリテラシー / サイエンスリテラシー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、日本サッカー協会のフィジカルプロジェクトとの連携でJリーグ全国の57クラブを対象とし、映像を使った横断的および縦断的なフィジカルデータベースを作成・開発し,各チームでのフィジカル測定の映像分析による動作分析と障害調査のメディカルデータとの関係性を予防医学的観点から診断できるよう開発をおこなうことである。ハイパフォーマンススポーツでのパフォーマンス診断データを用い、選手とコーチがデータベースを用いたエビデンスベースのコーチング・トレーニングを通じ、問題解決能力を備えることができる人材育成に結びつけるシステム環境構築のモデルを作成することを目的とする。
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は、Jリーグ全国の57クラブを対象として、映像を使った横断的および縦断的なフィジカルデータベースを作成・開発し,各チームでのフィジカル測定の映像分析による動作分析と障害調査のメディカルデータとの関係性を予防医学的観点から診断できるよう開発をおこなうことである。初年度では、3000名の年代を越えたジュニアユース選手およびユース選手のうち、1914名(年齢:15.19 ± 1.73, 身長:168.41 ± 9.65, 体重:58.70 ± 10.33)のスプリントタイム、方向転換タイム、跳躍高のフィジカルデータと身長・座高・体重などから年齢、PHV、早熟および晩熟の横断的評価をおこなった。 映像分析から、スプリント能力はU13からU16にかけて学年の増加に伴ってスプリント能力が向上しその後,スプリント能力の向上は停滞傾向であったことが示された。また、年齢増加に伴ってストライド長が伸び、U16以降ストライド長の伸びに停滞が起き、その後ピッチが向上した。跳躍能力、方向転換能力はU13からU16にかけて学年の増加に伴って跳躍能力、方向転換能力が向上しその後、跳躍能力、方向転換能力の向上は停滞傾向であったことが示された。ユース昇格選手は、片脚での立ち幅跳び、15mおよび30mのスプリント能力、プロ昇格選手は,片脚の垂直跳び、立ち幅跳び、15mおよび30mのスプリント能力および方向転換走において非昇格選手より優れた値を示した。成熟度によって各フィジカルデータが向上することが示され、ユース昇格では生まれ月間の比率の差があり、ジュニアユース,ユースにかけて継続して生まれ月の偏りが続いていた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究はおおむね順調に進んでいる。ただし、これまで測定した全ての6000名(縦断的測定者を含む)の対象者の分析データを含んでいないため、それら対象者を含んだフィジカルデータベースを構築して更なる信頼度を高める必要がある。2年目は、成長段階、体力データの変化と障害データをリンクさせてパフォーマンス診断データを示していく予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
現在、縦断的測定者を含む6000名の測定が完了しており、信頼度の高いデータベースを構築することで、現場において個別的な事例に対処することができると考えている。2年目には、5000名の横断的なデータベースを示すと同時に、1000名の縦断的測定者のフィジカルデータと障害データを加えることで、フィジカルレベルおよびその変化と成熟度および怪我などの個別的な事象を明らかにしていく予定である。現場のフィジカルコーチおよびトレーナーと連携して障害事例とその後の回復過程などを把握しながらさらに縦断的に測定していく。そうしたことを通じて、3年目にデータベースを用いて、トレーニングの介入が可能になると考えられる。介入研究ができるようにすることで,タレント発掘プログラムだけではなく,選手へのトレーニング手段の提示や個別的な事象へ対処が可能になり、選手およびコーチの学習動機や学習方略に関して効果を検証することが可能であると考える。
|