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運動により増加する血中乳酸は高強度運動による認知機能の向上に貢献しているか否か

研究課題

研究課題/領域番号 23K10642
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分59020:スポーツ科学関連
研究機関日本医科大学

研究代表者

三上 俊夫  日本医科大学, 大学院医学研究科, 研究生 (60199966)

研究分担者 荒川 亮介  日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (40350095)
渡辺 光博  慶應義塾大学, 政策・メディア研究科(藤沢), 教授 (10450842)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード運動 / 乳酸 / 認知機能 / IEGs / NADH/NAD比
研究開始時の研究の概要

運動高強度運動は認知機能の向上に有効な手段として認識されているが,どの様な作用機序に寄って高強度運動が認知機能の向上をもたらすのかについては解明されていない.細胞実験か乳酸脱水素酵素によりピルビン酸に代謝され,この際にNADがNADHを増加させ,このNADHの増加はNMDA受容体を介して神経細胞の活性化および記憶形成に寄与する最初期遺伝子(IEG)の発現を増加させる.これらの先行研究を基に本研究では,高強度運動時に増加する血中乳酸が,前述の反応系を介して海馬IEG発現を増加させ,高強度運動による認知機能向上を引き起こすか否かを検証する.

研究実績の概要

本年度は,乳酸投与による海馬内の乳酸,NADH/NAD比,IEGとBDNA発現の増加を検討 することを目標として以下の実験を行った.
12週齢の雄C57BL/6Jマウスに体重1 kg当たり1 gの乳酸を腹腔内投与した.乳酸投前,乳酸投与 の10,20, 30,60,120分後に血中乳酸測定器(Lactate Pro 2)を用いて血中乳酸濃度を測 定後にマウスを屠殺して海馬を採取した.採取した海馬から市販のキットを用いて細胞質分 画を回収し,細胞質分画中の乳酸濃度,NADとNADH濃度を市販のキットを用いて測定した.同時 に,採取した海馬からRNAを抽出して最初期遺伝子(IEGs)のmRNAをqPCR法により測定した.
これらの実験結果より,今回の乳酸投与により投与10後の血中乳酸濃度は高強度運動直後の血中乳酸濃度に匹敵する10 mM程度に上昇した.そして,投与30分後で海馬内の乳酸濃度は著しく増加し,投与60分後では海馬の細胞質内のNADH/NAD比が有意に増加した.また,乳酸投与60分後では海馬のIEGsであるcfosとArcのmRNAが有意に増加した.これらの結果から,腹腔内に投与された乳酸が血液を介して脳に運ばれ,血液脳関門を通過して海馬の神経細胞内に取り込まれ,それに伴って海馬の神経細胞のNADH/NAD比とIGFs遺伝子の発現増加をもたらすことが明らかになった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の実験計画では MCT阻害剤(UK5099)を乳酸投与の30分前に腹腔内投与する乳酸+UK5099投与群マウスについても上記の様な分析を行い,投与された乳酸が海馬の神経細胞内に取り込まれない条件下では神経細胞内のIEGsの発現が妨げられることも明らかにする予定であったが,これに関する実験は未だ実施できていないため.

今後の研究の推進方策

本年度の研究では,生体内に投与した乳酸が海馬の神経細胞に取り込まれ,その後に神経細胞の活性化をもたらすIEGsの発現増加がもたらされることが明らかになった.今後は,本年度にやり残したMCT阻害剤(UK5099)を乳酸投与前に投与し,乳酸投与により引き起こされる海馬の神経細胞のIEGsの発現増加が抑制されるか否かについては,2024年度の研究で明らかにしていく予定である.

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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