研究課題/領域番号 |
23K10648
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
菅 唯志 立命館大学, 総合科学技術研究機構, 客員研究員 (30708673)
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研究分担者 |
寺田 昌史 立命館大学, スポーツ健康科学部, 講師 (50779064)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | スプリント能力 / スポーツ障害 / 組織特性 / 磁気共鳴画像法/磁気共鳴分光法 / リアルタイムフィードバック |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,陸上短距離走選手を対象とし,1)多角的スポーツ科学解析による競技力関連因子の全容解明,2)競技力向上と障害予防の単独・複合関連因子の統合的識別,3)競技力向上と障害予防に貢献する新規システム運用と開発を体系的に行い,競技力向上と障害予防の統合的理解と現場特化型システム実装を行うことを目的とする.本研究の成果は,短距離走選手における競技力向上と障害予防を統合した,現場に有用な革新的方策の基礎基盤を構築することに貢献するとともに,短距離走選手のみならず様々なスポーツ競技・種目のアスリートや一般者における幅広い応用が期待できる.
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研究実績の概要 |
本研究は,陸上短距離走選手を対象とし,1)多角的スポーツ科学解析による競技力関連因子の全容解明,2)競技力向上と障害予防の単独・複合関連因子の統合的識別,3)競技力向上と障害予防に貢献する新規システム運用と開発を体系的に行い,競技力向上と障害予防の統合的理解および現場特化型システム実装を行うことを目的としている. 今年度は,短距離走選手を対象とし,磁気共鳴画像法や超音波画像法を用いて取得した筋・腱・骨・関節の網羅的形態計測のデータを整理した結果,スプリントパフォーマンスに極めて特異的に関連する形態的因子を複数明らかにした.さらに,これらの形態的因子が特異的発達を呈しているかを検討するため,定期的な運動習慣のない一般健常者のみならず長距離走選手や球技スポーツ選手と比較した結果,とりわけ特定の筋群の発達様相が極めて特異的であることを明らかにした.これに対して,超音波エラストグラフィ法を用いて測定した特定筋の機械的特性は,スプリントパフォーマンスに関連しないことを明らかにした. 上記の研究実績に加えて,今年度は,現場調査研究において取得した映像データから,短距離走選手における前足部接地パターンを前額面,水平面,矢状面の解剖学的平面を基準として複数に分類する方法を発案した.その分類方法を用いて,前足部接地パターンの使用傾向を検討した結果,全ての解剖学的平面で特定の前足部接地パターンの使用傾向が高いことを明らかにした.さらに興味深いことに,前額面と矢状面の前足部接地パターンにおいて,使用傾向の高い特定の接地パターンよりも使用傾向の低い特定の接地パターンの方がスプリントパフォーマンスに好適に作用する可能性を明らかにした. なお,これらの研究結果は,複数の国内学術集会で発表するとともに,その一部が優秀賞を受賞した.また,現在,国際学術誌への論文投稿に向けて準備を進めている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までに本研究課題に関連し,短距離走選手だけでなく,長距離走選手や球技スポーツ選手をはじめとした,様々な競技・種目の選手の形態計測やスポーツ傷害などのデータを収集することができており,その点で短距離走選手の特異性を詳細に検討できる基礎基盤が構築されつつある.さらに,慣性センサ式モーションキャプチャを用いた,新規動作システムの開発の予備検討も開始している.以上のことから,「おおむね順調に進展している」と判断した.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,研究課題1の「多角的スポーツ科学解析による競技力関連因子の全容解明」における磁気共鳴分光法を用いた生理学的解析や生体試料を用いた生化学的解析,そして,研究課題2の「競技力向上と障害予防の単独・複合関連因子の統合的識別」および研究課題3の「競技力向上と障害予防に貢献する新規システム運用と開発」の研究展開を精力的に進める.
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