研究課題/領域番号 |
23K10657
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
前村 公彦 筑波大学, 体育系, 准教授 (40454863)
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研究分担者 |
菅原 順 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究グループ長 (00357261)
樽味 孝 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 上級主任研究員 (40825858)
谷川 聡 筑波大学, 体育系, 准教授 (60400660)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | ロングスプリント / 動作効率 / 運動エネルギー / 力学的仕事量 / 疾走動作 / スプリントエコノミー / 効率 / 生理学的エネルギー / 筋形態 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、スプリンターにおける効率の良い走りの究明を目的とし,スプリントエコノミーの定量化を目指した実践的研究を行う。この目的を達成するために、本研究では、生理学的および力学的エネルギーに着目した効率の良い走りの定量化、効率の良い走りに関与する形態的・技術的要因の特定、スプリント走における効率の良い走りの向上のためのトレーニングプログラムの実践について、大学陸上競技部のトレーニングに実践的に介入して検討する。
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研究実績の概要 |
本研究では,スプリンターにおける効率の良い走りの究明を目指した実践的研究を行うことを目的とする。この目的を達成するために,本研究では,生理学的および力学的エネルギーに着目した効率の良い走りの定量化(2023年度)、効率の良い走りに関与する形態的・技術的要因の特定(2024年度),スプリント走における効率の良い走りの向上のためのトレーニングプログラムの実践(2025年度)について,大学陸上競技部のトレーニングに実践的に介入して検討する。 2023年度は,動作効率の指標であるEI(Effectiveness index of mechanical energy utilization)とロングスプリントに代表される400m走パフォーマンスとの関係について検討した結果,400 m走タイムとレース前半のEIとの間には有意な負の相関関係が認められ,EIの構成因子である運動エネルギーおよび力学的仕事量との間にもそれぞれ有意な相関関係が認められた。これらのことは,400 m走のレース前半においては,小さな力学的仕事で高い疾走速度を獲得するような効率の良い走りが,400 m走パフォーマンスに大きく影響を及ぼすことを示唆するものである。一方,400 m走タイムとレース後半のEIとの関係について検討した結果,両者の間には有意な正の相関関係が認められ,レース前半とは相反する結果であった。また,EIの構成因子である運動エネルギーおよび力学的仕事量との間にもそれぞれ有意な負の相関関係が認められた。これらのことは,400m走のレース後半においては,疾走動作の効率を高めることは重要ではなく,力学的仕事量を増大させることが重要であることを示唆するものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
2023年度は,動作効率の指標であるEIとパフォーマンスとの関係について検討することを予定していたが,予定通り実験・分析を完了し,仮説通りの結果を取得することができた。また,2024年度に実施予定であった「効率の良い走りに関与する形態的・技術的要因の特定」の実験についても2023年度に完了しており,現在,分析を進めている。形態的要因の特定については,MRIによるスプリンターの筋形態の測定を実施したが、研究分担者である菅原順氏および樽味孝氏は,国立研究開発法人産業技術総合研究所の研究グループ長および主任研究員であり、これまでにMRIを用いた研究を数多く行なってきている。両氏のご協力のもと,MRIの測定も無事終えることができた。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度,動作効率の指標であるEI(Effectiveness index of mechanical energy utilization)とロングスプリントに代表される400m走パフォーマンスとの関係について検討した結果,400 m走のレース前半においては,小さな力学的仕事で高い疾走速度を獲得するような効率の良い走りが,400 m走パフォーマンスに大きく影響を及ぼすことを示唆した。2024年度は,これらに影響する技術的要因と形態的要因について特定する。実験はすでに終了しているので,MRI画像のトレースで各筋の横断面積を算出すること,また,動作分析を行い,疾走中のキネマティクスデータの整理し,上記内容について検討する。
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