研究課題/領域番号 |
23K10660
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 滋賀大学 |
研究代表者 |
榎本 雅之 滋賀大学, 経済学系, 教授 (40515946)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2026年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | ニュージーランド / スポーツ史 / 民族 / 宗教 / アイルランド移民 / スポーツの近代化 / 民族とスポーツ / 宗教とスポーツ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,近代スポーツの受容と展開に関する基礎的研究として,19世紀後半のニュージーランド(NZ)のスポーツ活動を明らかにし,ナショナリズムと宗教の文脈から,近代スポーツ史研究に新たな知見を加えることを目的とする。 NZへの植民は、先住民対策や宗派別の入植など計画的に進められた。一方,反抗の意志を示すマオリやイギリス本国のアイルランド自治問題など,NZの情勢は不安定だった。このような社会環境の中,NZの人々は近代スポーツを受容し,拡大していく。本研究では,民族や宗教など様々な背景をもつ入植者と現地の人々が,スポーツを通じて,どのように統合あるいは分断されたのかという点について検討する。
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研究実績の概要 |
本研究は、近代スポーツの受容と展開に関する基礎的研究として、ニュージーランド会社による入植が進められる19世紀後半のニュージーランドのスポーツ活動を明らかにし、ナショナリズムと宗教の文脈から、近代スポーツ史研究に新たな知見を加えることを目的とする。 イギリスによるニュージーランドへの入植は、先住民対策や宗派別の入植など、北アメリカ大陸やオーストラリア大陸への植民の経験を踏まえ、計画的に進められた。他方、反抗の意志を示すマオリやイギリス本国のアイルランド自治問題など、植民地の情勢は不安定だった。このような社会環境の中、入植者とマオリの人々は、クリケットやラグビーなどの近代スポーツを受容し、ニュージーランド内にスポーツが浸透していく。本研究では、民族や宗教など様々な背景をもつ19世紀後半のニュージーランドにおいてスポーツがどのような役割を担ったのかという点について、主にスコットランド長老会派のフリーチャーチの人々を中心に入植が進んだオタゴ州と英国国教会の人々を中心に入植が進んだカンタベリー州を取り上げ、比較検討する。 2023年度は、19世紀後半のニュージーランドの社会情勢やスポーツ状況を整理するため、学術誌の先行研究や、日本国内から海外の古書店等を通じて入手できるニュージーランドのクリケットやラグビーの協会史等を収集した。これら収集した先行研究から19世紀後半の地域ごとの社会情勢やスポーツの年表を作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度は、19世紀後半のニュージーランドの社会情勢やスポーツ状況を整理するため、学術誌の先行研究や、日本国内から海外の古書店等を通じて入手できるニュージーランドのクリケットやラグビーの協会史等を収集した。これら収集した先行研究から19世紀後半の地域ごとの社会情勢やスポーツの年表を作成した。この作業を通して、当初、特に計画的な移住が進められたオタゴとカンタベリーに着目する計画としていたが、ニュージーランド北島にある最大の都市オークランド、また首都ウェリントンも比較対象に加える必要があると考えている。また、都市部以外では、スポーツクラブが設立されるものの、その活動は継続せず、クラブの活動が停止する事例が多くみられる。19世紀後半のニュージーランドのスポーツ活動を概観するためには、都市部以外の状況も整理しておく必要があり、当初計画していた作業より、整理することが多くなったため、全体的には遅れている。しかし、当初予定よりも、研究対象地域を拡げることは、ニュージーランドスポーツ史の概観を捉えることができ、本研究において必要な作業だと考える。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、ニュージーランドでの資料収集を行う予定である。すでにオタゴ大学のホッケン図書館に19世紀のスポーツに関する資料が確認できており、現地での資料収集を行う予定である。現在、円安の影響で海外での資料収集をできるだけ効率的に行う必要がある。オークランド、ウェリントン、クライストチャーチ(カンタベリー)、ダニーデン(オタゴ)と研究対象地域を拡げるが、調査の計画段階で研究対象地域を絞る可能性もある。また、可能な限り電子化されている資料を日本国内で整理し、対象を絞った資料収集を行う予定である。また、19世紀ニュージーランドスポーツ史研究の成果について、関連する学会での報告を予定している。
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