研究課題/領域番号 |
23K10662
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 山口県立大学 |
研究代表者 |
角田 憲治 山口県立大学, 社会福祉学部, 准教授 (90718909)
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研究分担者 |
北濃 成樹 公益財団法人明治安田厚生事業団体力医学研究所, その他部局等, 研究員(移行) (20762206)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2027年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2026年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2025年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2024年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 脂肪肝 / 糖尿病 / インスリン抵抗性 / NASH / 運動 / TyG index / 身体活動 |
研究開始時の研究の概要 |
本邦における非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)の有所見率は30%に達する。NAFLDは、肝硬変や肝細胞癌の基盤疾患であるだけでなく、肝臓の糖調整機能の低下により、合併症として糖尿病を引き起こすことが知られている。本研究では、健診機関と連携し、糖尿病リスクの強い曝露下にあるNAFLD有所見者のみを対象とした長期追跡コホートを作成し、糖尿病の合併予防に最適な身体活動様式(強度、時間、継続実施の是非など)を探求する。身体活動は、加速度計で客観評価し、曲線回帰分析による量反応関係と、組成データ解析による座位行動との共依存関係を考慮した検討を行う。
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研究実績の概要 |
2023年度は、これまでに蓄積されたMeiji Yasuda Lifestyle Studyのデータを整理し、約5000名の加速度計を付された人間ドック者のベースラインデータセットを構築した。また、当対象に対し、1から6年目の追跡調査を行った。これらの調査に加えて、ベースラインデータに基づく、横断的データ解析を行った。脂肪肝の評価には、腹部エコー検査に基づく医師の有所見判定を用い、アルコール摂取量が多い者(男性:30 g/週以上、女性:20 g/週以上)については解析から除外した。分析の結果、非アルコール性脂肪肝(non-alcoholic fatty liver disease:NAFLD)の有所見所において、インスリン抵抗性指標のtriglyceride-glucose (TyG) indexに対し、低強度活動時間および中高強度活動時間は抑制的に関連し、座位行動時間は促進的に関連した。空腹時血糖に対しては、低強度活動時間が抑制的な関連を示し、座位行動時間が促進的な関連を示した。なお、これらの関連性は、年齢、性、学歴、経済状況、喫煙状況、アルコール摂取量、各種服薬状況、野菜摂取頻度、body mass index、加速度計装着時間から独立していた。これらの結果から、NAFLD有所見者の糖尿病合併を予防するためには、低強度活動および中高強度活動の実践と、長時間の座位行動の回避が重要であることが示唆された。2024年度は、当知見に基づく成果発表と、人間ドックによる対象者の追跡を引き続き行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
健診センターの都合上、新規対象者に対するインスリン抵抗性指標であるHOMA-IRの測定が困難になったが、近年注目のインスリン抵抗性指標であるTyG indexを用いて、過去のデータ蓄積分を含めて、全対象者のインスリン抵抗性を評価することが可能になった。ベースラインデータとしても十分な対象者数を確保できているため、引き続き、対象者を追跡し、質の高い縦断研究へと発展させていく。
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今後の研究の推進方策 |
現在着手しているベースラインデータに基づく横断的データ解析については、組成データ解析を適用した行動置換モデルにより、研究の質を向上させた上で、論文化を進めていく。
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