研究課題/領域番号 |
23K10673
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
|
研究機関 | 横浜商科大学 |
研究代表者 |
阪田 俊輔 横浜商科大学, 商学部, 講師 (40823737)
|
研究分担者 |
中須賀 巧 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 准教授 (10712218)
須崎 康臣 島根大学, 学術研究院教育学系, 講師 (90825829)
田中 輝海 駿河台大学, スポーツ科学部, 准教授 (90804196)
松田 晃二郎 熊本学園大学, 社会福祉学部, 准教授 (50850450)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | 対処資源 / プロアクティブコーピング / ストレスコーピング / ストレスマネジメント / 予防的ストレスマネジメント / 健康・スポーツ関連科目 / 大学教養体育 / 大学スポーツ |
研究開始時の研究の概要 |
健康・スポーツ関連科目におけるストレスマネジメント教育は,リラクゼーションといった対症療法としてのスキル教育にとどまっている.この原因は,ストレス源に接触した後にストレスコーピングが実施されるというプロセスを説明する心理学的ストレスモデルを基礎としており,授業場面と日常場面でストレス源の質や状況が大きく異なるために問題焦点型コーピングが教育できないためと考えられる.本研究では,プロアクティブコーピングと対処資源という心理学的ストレスモデルを拡張する概念を活用し,どのようなストレスにおいても効果的に対処し,自身の成長につなげることを目指す予防的ストレスマネジメント教育の方法の確立を目指す.
|
研究実績の概要 |
【研究1】健康・スポーツ関連科目を受講することで、プロアクティブコーピングと対処資源はどのように変化するか 2023年度前期に健康・スポーツ関連科目を受講した学生194名を対象とし、授業5回目と15回目の対処資源・プロアクティブコーピング・授業内の経験を測定した。結果、全体の約70%が授業後半にかけて対処資源とプロアクティブコーピングの得点が有意に向上していることが確認された。大きく向上したのは、「高い対処資源を有しており、授業にも積極的に参加できている」という特徴を持つ学生で、次に向上していたのは、「最初から高い対処資源を有しているが、授業には積極的に参加していない」という特徴を持つ学生であった。以上の結果から、授業前半にある程度の対処資源を有している者で、授業内で自己開示や挑戦達成を経験する学生ほど対処資源やプロアクティブコーピングが向上しやすいことが示唆された。 【研究2】健康・スポーツ関連科目で向上されたプロアクティブコーピングと対処資源の向上は、ストレスマネジメントに活用されるか 2023年度前期に健康・スポーツ関連科目を受講した学生247名を対象に、授業場面・日常場面のプロアクティブコーピング、対処資源、ストレスコーピングを測定した。結果、授業場面では対処資源が問題焦点型コーピングに中等度の効果を持ち、日常場面ではプロアクティブコーピングのうち、自身の過去の経験を振り返るという内省が中等度の効果を持っていることが確認された。また、どちらの場面においても、プロアクティブコーピングのうち、他者に援助を求めるサポート希求が対処資源を部分媒介してストレスコーピングに有意な影響を与えることが確認された。以上の結果から、健康・スポーツ関連科目で向上されたプロアクティブコーピングと対処資源は、授業・日常場面でのストレスマネジメントに活用されることが示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
予定している研究計画のうち、【研究1】は全て完了、【研究2】は研究3年目に実施予定の調査を残すのみとなった。また、本年度取得したデータを活用し、研究の主題であるプロアクティブコーピング、対処資源それぞれが向上しやすい学生の特徴、向上しにくい学生の特徴それぞれを明らかにすることができ、さらに、授業・部活動を含めたスポーツ経験の有無がストレスマネジメント全体にどのように影響を与えるかという、スポーツ経験そのものがストレスマネジメントに役立つことが示唆された。
|
今後の研究の推進方策 |
学会発表をする中で、本研究の主題の1つである対処資源について、「対処資源が消費された場合、それをリカバリーすることでストレスマネジメントに対する効果は大きくなるのではないか」というアドバイスを頂き、2024年度は「対処資源のリカバリー経験」について確認するための測定方法の探索・作成を実施する予定としている。 並行して、2023年度までの研究成果を論文としてまとめ、投稿する作業及び、2025年度に実施する1年間の継続調査の準備(アンケートフォームの作成、倫理委員会への研究計画書の提出、謝礼支払いの準備)を行う。
|