研究課題/領域番号 |
23K10683
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
仙石 泰雄 筑波大学, 体育系, 准教授 (30375365)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 泳パフォーマンス / 生理学的パラメーター / 泳効率 / 泳技術 |
研究開始時の研究の概要 |
競泳競技は,高い競技パフォーマンスを発揮する上で泳効率を高めることが最重要課題である.しかしながら,競泳競技が実施される高強度運動領域における泳の経済性(Swimming Economy)は正確に評価されておらず,競技パフォーマンスやレースにおける泳技術との関係は不明なままである.本研究は,高強度泳中のSwimming Economyを正確に評価する方法論を新たに確立し,そのSwimming Economyが競技パフォーマンスとどのように関係しているか横断的および縦断的に分析し,高強度泳中のSwimming Economyの改善に関与する泳技術を究明することを目指す.
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研究実績の概要 |
本年度において、良くトレーニングされた男子競泳選手17名を対象にデータを収集した。対象者は、回流水槽において間欠的漸増負荷泳テストを実施し、最大酸素摂取量と乳酸性作業閾値を分析した。さらに、最大酸素摂取量が出現した泳速度と乳酸性作業閾値が出現した泳速度の中間速度であるv50%Δを基準とし、v10%Δまで10%ずつ減少させた5段階の泳速度において3分間の固定負荷泳を回流水槽で実施し、高強度泳中のSwimming Economyを分析した。 その結果、v10%Δからv40%Δの泳速度までは、全員の対象者において酸素摂取量の定常状態が認められ、v40%Δの強度までであれば、酸素需要量を正確に求めた上でSwimming Economyを評価できることが示された。また、200m自由形の泳パフォーマンスを従属変数、最大酸素摂取量・乳酸性作業閾値・Swimming Economyを独立変数とした重回帰分析を行った結果、v10%ΔでのSwimming Economyを用いるよりv40%ΔのSwimming Economyを用いた方が、200m自由形パフォーマンスの説明率が高くなることが明らかとなった(R2 = 0.346 vs. 0.611)。 これらの結果から、良くトレーニングされた男子競泳選手において高強度泳中のSwimming Economyはv40%Δまで正確に評価することができ、より高い強度で評価したSwimming Economyを用いた方が200m自由形パフォーマンスの説明率が高くなることが明らかとなった。また、この説明率は、200m自由形と同程度の運動時間である陸上800m走パフォーマンスを対象に分析した研究結果よりも高く(Tanji et al., 2017)、水泳競技において伝統的な生理学的パラメーターを用いてパフォーマンスを評価することの有用性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画で目標としていた20名に近い対象者のデータを測定することができ、予備実験の結果と同様に高強度泳中のSwimming Economyを正確に評価できることが明らかになった。また、200m自由形泳パフォーマンスを評価する上で最大酸素摂取量・乳酸性作業閾値・Swimming Economyの伝統的な生理学的パラメーターを分析することの有用性が示され、コーチング現場に貢献する科学情報を提示することができた。 また、同様の測定を2回のシーズンで測定でき、次の研究課題である縦断的分析についても順調にデータを収集できている。 本研究結果について、国内および国際学会で発表し、国際誌に論文を投稿し、現在査読中である。
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今後の研究の推進方策 |
最大酸素摂取量・乳酸性作業閾値・Swimming Economyの伝統的な生理学的パラメーターを既に2シーズンにわたって測定してきており、次年度においても2シーズンのデータを継続して測定する。これらのデータを用いて、200m自由形の泳パフォーマンスの変化と生理学的パラメーターの変化の関連性について解析を進める。 また、トレーニングの実施による、各生理学的パラメーターの変化の関係についても分析する。具体的には持久性能力の指標(最大酸素摂取量・乳酸性作業閾値)と泳効率の指標(Swimming Economy)の関係について分析する。陸上走運動においては、最大酸素摂取量の変化とRunning Economyの変化は逆相関の関係にあることが報告されており、水泳運動においても同様の関係が認められるかを分析する。 最後に、対象者の泳動作解析を行い、Swimming Economyの高さに関連するキネマティクス変数についても分析を進める。 上記のデータの解析が進み次第、国内外の学会で研究成果を発表し、国際誌への投稿も進める。
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