研究課題/領域番号 |
23K10701
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
安田 稔人 大阪医科薬科大学, 看護学部, 教授 (90351428)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | アキレス腱断裂 / 再生医療 / 多血小板血漿 / スポーツ選手 / 腱延長 / リハビリテーション / 腱長 / 早期運動療法 |
研究開始時の研究の概要 |
アキレス腱断裂の治療については、プロスポーツ選手については早期復帰のために手術が選択されるが、手術を行えばスポーツ復帰が早くなるというエビデンスはない。また、手術後の腱長の変化についての報告は極めて少ない。腱延長を最小限にするためには、腱の縫合早期の組織修復や力学強度をより高める必要がある。そこで、アキレス腱縫合時の腱にPRPを注入すれば、修復早期の腱強度が増し、腱延長を最小限にして早期のスポーツ復帰が実現できると考えた。早期運動療法とPRP療法を併用すれば、スポーツ選手のより早期のスポーツ復帰と腱延長を最小限にする新たな治療法の開発につながる。
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研究実績の概要 |
スポーツ選手のアキレス腱断裂に対して、手術の際に腱縫合部に多血小板血漿(PRP)を注入し、術後は早期運動療法(ギプス2週間の後、装具を装着して荷重と可動域訓練)を行い、治療成績が向上し、早期のスポーツ復帰が可能になるかどうかを学術的に検証する目的に、スポーツ選手のアキレス腱断裂3例に手術を行った。 計画予定通り、手術室で採血して、クリーンベンチ内にてPRPを作成し、手術中に縫合部にPRPを注入した。また、アキレス腱断裂の手術の際に、腱の断裂部の一部(5mm×5mm)を顕微鏡での観察(病理組織検査)のために採取した。全例、PRPは予定通り作成できた。退院後は外来通院の上、術後の臨床評価(臨床スコア、MRI、有害事象の観察)を行った。術後1年以上経過しているが感染や神経障害をはじめ手術合併症は1例も生じなかった。全例、約4か月でスポーツ復帰し、術後6ヶ月での復帰 率は100%であった。知覚障害や痛みはなかった。また歩行や階段昇降にも問題なく、全例、片足つま先立ちは可能であった。病理検査でも腱の変性は認めなかった。手術後のMRIでも腱は紡錘状に肥厚し、MRIのT2強調像にて、腱内に高信号変化を認めず、手術後良好な腱修復像が得られていた。PRPと術後に早期運動療法を行うことにより、日本足の外科学会後足部判定基準(JSSFスコア)やAchilles tendon total rupture score (ATRS)もスコアは90点以上と高く、早期のスポーツ復帰が達 成できた。またMRIにて経時的に腱長を計測したが、術後には明らかな腱延長は認めなかった。PRPと術後に早期運動療法を行うことにより、JSSFスコアやATRSもスコアは90点以上と高く、腱延長を最小限に抑えた状態で早期のスポーツ復帰が達成できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
基準を満たすスポーツ選手例がまだ不足している。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は全例、術後1年以上経過するので、その臨床成績を調査し、学会発表と論文投稿を予定している。 引き続き症例募集も続行する予定である。
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