研究課題/領域番号 |
23K10718
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 福山市立大学 |
研究代表者 |
林 聡太郎 福山市立大学, 都市経営学部, 准教授 (80760040)
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研究分担者 |
内藤 貴司 北海学園大学, 法学部, 講師 (20806278)
松田 幸久 石川県立看護大学, 看護学部, 准教授 (40513825)
石本 恭子 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 准教授 (50634945)
斉藤 篤司 九州大学, 人間環境学研究院, 教授 (90195975)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2027年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 体温 / 脊髄損傷 / 体温調節障害 / 屋外身体活動 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は5年間で、実験室内での基礎的な実験と屋外での応用的な研究で構成される。屋内外の暑熱ならびに寒冷環境における滞在時・身体活動時の体温動態を明らかにすることで、残存する体温調節機能レベルごとに暑熱と寒冷への適正な体温維持のための対策を明らかにする。最終的には屋外での活動制限の延長を狙い、新たな実用的暑さ対策および寒さ対策を提案する。 被験者ごとの体温調節障害を発汗部位から特定し、核心温と外殻温、主観的温熱感覚を測定することによって、暑熱環境下における身体冷却法、寒冷環境下における保温法の実用的な対策を明らかにする。これらは、脊髄損傷者における屋外での活動限界を延長させる可能性を有する。
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研究実績の概要 |
ヒトの体温調節は、熱産生と熱放散によって深部体温が約37℃で一定に保たれている.しかしながら、脊髄損傷者や四肢切断など身体的障害者は体温調節を生じることがあり、健常者と比較して暑熱下では高体温を、寒冷下では低体温を呈しやすい.本研究の目的は、①脊髄損傷者における暑熱環境および寒冷環境下での滞在時、身体活動時の異なる部位の体温動態を明らかにし、人工環境制御室内での基礎および屋外フィールド実験によって、体温調節障害を有する者における屋外での身体活動時の適正体温維持と活動限界を延長させる包括的な実用的対策を広く提案することである. 2023年度は、これまで得てきた暑熱環境下における屋外滞在での適性体温維持のための身体冷却方略を、頸髄損傷者を対象に施行し、屋外活動における深部体温動態について検証した.対象者はC5損傷者であり、麻痺部において発汗がなく、血管運動も障害されていることから、暑熱化において深部体温が顕著に上がる者であった.外気温が36℃の環境で対象者の自宅から500m離れた商業施設までの往復を10分の休息を含めて1時間で、電動車椅子を用いて移動を行なった.電動車椅子の操作は研究対象者自身で行わせた.施行した身体冷却は長袖等の衣類と帽子の着用に加え、クールングベストを着用させた.その際、背部のアイスパックは褥瘡等へのリスクを避けるために挿入しなかった. 深部体温の最高値は、屋内での安静滞在時と比較すると、0.23℃の上昇であり、クーリングベストによる体幹部の冷却効果に加え、長袖等の衣類を着用したことによる皮膚温上昇の抑制をしたことが過度な深部体温の上昇抑制に貢献したことが示唆された.来年度は研究対象者を増やし、屋外活動時における身体冷却方略の確立をする予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初予定していた、研究協力者の依頼が難航していることから、研究計画に則った実験の遂行に遅れが生じている.しかしながら2024年度については、夏季および冬季における実験の遂行について了解が得られている協力者がいることから、2023年度の研究計画と合わせて実施する予定である.
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今後の研究の推進方策 |
2023年度および2024年度の研究計画は、暑熱環境下における身体冷却と、寒冷環境における保温効果を得ることにある.2023年度終了時点において、暑熱環境下における実験が進んでいることから、2024年度は、暑熱環境のデータ収集に加え、冬季の適正な深部体温の維持に必要な保温または加温による方略を検証する.なお、研究協力者の障害の特性等を考慮し、当初は15人で予定していた計画を10人として遂行することとする.
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