研究課題/領域番号 |
23K10720
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
原 健二 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (50438701)
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研究分担者 |
橋本 貢士 獨協医科大学, 医学部, 教授 (30396642)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 糖尿病 / 運動療法 / 糖尿病性腎症 / QOL / エピジェネティクス |
研究開始時の研究の概要 |
研究代表者は2020年度の基盤研究(C)(課題番号20K11394)(代表)において連携フィットネスクラブ(F.C)における運動療法が糖尿病性腎症の重症化抑制に及ぼす影響についての研究を行った。しかしコロナ禍においてF.Cでの運動療法の実施は困難であり、研究の障壁となった。withコロナにおける新たなスタンダードとして「自宅で」「一人で」実施でき、「効果的」かつ「継続しやすい」運動指導プログラムを作成する。本研究では、自宅でできる運動プログラムを提供し、1)血糖コントロールとそのQOLが改善するか、2)糖尿病性腎症2~3期の2型糖尿病患者の腎機能障害の進行を抑制するかどうかを検討する。
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研究実績の概要 |
わが国における年間の新規透析導入患者のうち、糖尿病性腎症が第一位となっている。人工透析は患者のQOLを著しく低下させるとともに、医療経済的にも社会に大きな負担を強いる。糖尿病患者の人工透析導入を防ぐためには、糖尿病性腎症の進行を抑制し、腎不全への移行を抑止することが肝要である。糖尿病の三大治療法(食事、運動、薬物)のうち、運動療法が糖尿病性腎症の重症化を予防し得るかどうかは現在のところ不明である。本研究では「自宅で、一人でできる運動療法がQOLを改善させることができるか?」そして「糖尿病性腎症重症化予防に有効か?」ということである。さらに有効だとすれば、「その効果の科学的機序はどのようなものか?」を明らかにする。<検討課題: 自宅での運動療法が腎機能低下を抑制し得るか?>①2型糖尿病腎症2期~3期の対象者を1)運動実施群 2)経過観察群に割り付ける。②各群で3か月の運動療法もしくは経過観察を行う。運動実施群は以下の運動を実施する。レジスタンス運動は、連携施設である株式会社東武スポーツと協同で作成した自重レジスタンス運動プログラムを用いる。同時に中強度の有酸素運動を週150分以上実施することを目標とし、活動量計の携帯により3METs以上の活動時間を測定する。対象者は、月に一回、獨協医科大学埼玉医療センターの外来を受診し、定期検査を受ける。検査項目(観察項目)としては血清クレアチニン(Cr)、eGFR、HbA1c、空腹時血糖、尿中アルブミ(Alb)/Cr比、体組成測定、血中IL-6、シスタチンCなどが含まれる。さらに割り付け時および3ヶ月の経過観察もしくは各運動療法終了時に、血中フェニル硫酸(Nat Commun. 2019)と末梢血由来のゲノムDNAのDNAメチル化を生じる 遺伝子 (PPARGCAなど)(Epigenetics, 2019)のDNAメチル化状態を解析する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では「2型糖尿病」かつ「腎症2期~3期」で、同意取得時に「定期的な運動習慣のない患者」を対象としている。また、現在心血管疾患や呼吸器疾患、整形外科的疾患を有する患者においては安全性の面から、研究への参加を提案しにくい症例が多数存在する。そのため、当初想定していたよりも、登録できる対象者数がやや少ないという現実に直面している。
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今後の研究の推進方策 |
前述の通り、本研究の進行はやや遅れている。今後の対応策として以下を検討している。 ①医師への情報周知:研究代表者、研究分担者が所属する機関の医師に対して、本研究の周知を徹底する。 ②患者への情報提供:患者が本研究の存在をより認識できるようなポスター等を掲示し、患者側から本研究に参加する意志を担当医師に示してもらうきっかけとする。 ③対象者の条件、除外基準の見直し:現在の条件では対象者数が確保できない場合、いくつかの条件の見直しを検討する必要がある。(例:現在の年齢の条件は20歳~65歳としているが、これを80歳までとする)(例:現在は運動習慣のないものを対象の条件としているが、これを「レジスタンス運動」の習慣がない者に変更する等) できる限り①②の対応により症例数を増やし、本研究を遂行する所存である。
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