研究課題/領域番号 |
23K10727
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
佐藤 佑介 日本大学, 商学部, 准教授 (00559536)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 体操 / 宙返り / 空中 / 空中感覚 / 視覚 / 眼球運動 / 視線 |
研究開始時の研究の概要 |
この研究では,前方かかえ込み宙返りを課題とし,その運動中の視線行動と身体運動を同時に計測することで,両者の協応運動の実体を明らかにする。研究の進め方は以下の通りである。 1. 前方かかえ込み宙返り中の視線行動を明らかにし,それが宙返りの高さなどに与えている影響を調べる。 2. 前方かかえ込み宙返りの踏切時の視線行動が,その後の動作にどのような影響を与えているかを特定する。 3. 着地前に視線を安定させることは,安全な着地に寄与する可能性がある。そのため,着地前の視線の安定を成功させることに,空中での動作はどのように影響しているのかを明らかにする。
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研究実績の概要 |
空中で展開される複雑な運動中の視線行動が明らかにされつつある。しかしながら,前方かかえ込み宙返りにおける視覚情報の利用に関する研究はほとんどない。そこで本研究では2つの目的が設定されている。1つは,前方かかえ込み宙返りにおける視線行動を明らかにすることである。もう1つは,そのデータと身体の姿勢や動作との関係を検討することである。 令和5年度は,本研究課題に関する先行研究をレビューし,基盤となる実験を遂行した。先行研究を概観すると,この運動においても視覚情報が利用されていると考えられるが,それを示す定量的なデータは得られていないことがわかった。さらに,前方かかえ込み宙返りは膝関節にかかわる傷害発生リスクが高い運動であることも示唆された。着地時におけるこのリスクと視線方向には関連性もみられる。したがって,この運動において視線行動を検討することは,運動を制御するための認知的処理の実態解明に資するばかりでなく,傷害予防につながる可能性を秘めている。 前方かかえ込み宙返り中の視線行動を明らかにするために,アイトラッキングシステムとモーションキャプチャーシステムを組み合わせた実験が展開された。それにより,この運動における視線行動にかかわるデータを取得することに成功した。得られた結果はそればかりでない。前方かかえ込み宙返り中は,視覚情報を利用することが難しい運動であることを示す結果も得られた。視線行動にかかわるデータをもとに,前方かかえ込み宙返りの動作との関連を検討する段階にある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究は順調に進んでいる。予定していた研究計画を遂行できているからである。先行研究をレビューすることで,改めて本研究課題に関わる知見を収集した。そのうえで,実験を展開できた。この実験を支えるための基盤となる実験環境も研究費により整えられた。これらのシステムを利用して,分析に取り掛かることができた。具体的には,前方かかえ込み宙返り中における注視の検出や,この動作における身体各部位の座標データの取得である。このような分析により,迅速な研究成果の発信が可能となる。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は予定通りに研究計画を遂行できた。したがって,令和6年度も計画に沿って研究を展開する。具体的には,分析の実施と研究成果の発表である。前者は現在も予定通りに推進している。後者についてもすでに学会大会での発表に申し込んでいる。まずはこれら2つを完遂し,論文化につなげたい。視線に関わるデータと身体動作に関わるデータを整理した後,両者の関連性についても分析を進める。その成果についても発信する目途を立てたい。
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