研究課題
基盤研究(C)
身体運動による課題を正確に遂行するために、脳の運動制御系は運動の誤差を素早く検知し修正する機構を備えていることが、腕到達運動実験課題を用いて明らかにされてきた。しかし、従来の研究で抜け落ちていたのが「身体運動の冗長性」の問題である。例えば、ゴルフショット時のクラブヘッド位置が全身の姿勢に依存するように、日常的な運動課題に関わる制御対象は、課題の成否を決める変数より高い自由度を持つ。このような冗長な系において運動誤差が生じたとき、運動制御系は全身の姿勢を如何に変化させ誤差を減らすのか?本研究では、一本のスティックを両手で操作する冗長な運動課題と実践的な多自由度運動課題を用いてこの問題を検討する。