自尊感情は様々な研究者によって定義されているが、概念の曖昧さに加え、知見相互による矛盾が指摘されることも多く、さらに自尊感情には二つの領域があることも指摘されてきた。しかし、これまで二つの自尊感情を区別して捉えた上で、基本的自尊感情を育む要因として共有体験に着目したことは重要な視点となるものである。 身近な他者との体験と感情の共有(共有体験)が、自己受容や自己肯定を促し、基本的自尊感情を育むという仮定のもと、そこにおいてICT機器を用いて身体性を伴う共有体験を実現することの意義と方法を明確にすることが、本研究の目的となっている。
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