研究課題/領域番号 |
23K10765
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59030:体育および身体教育学関連
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
仙石 泰仁 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (10248669)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 視-運動協調能力 / 映像遅延課題 / 視-運動協調 / 発達性協調運動障害 / 内部モデル / 運動モニタリング |
研究開始時の研究の概要 |
明確な運動障害がないにも拘らず、日常生活動作やスポーツなどにおいて作業遂行の不器用さやぎこちなさを指摘される子供たちの運動機能を改善するために、視-運動協調に関与する内部モデルと運動モニタリング機能を測定できる評価方法を開発し、その機能が実際の運動特徴とどのように関連しているのかを、健常成人、定型発達児、発達性協調運動障害児・者の比較から明らかにする。
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研究実績の概要 |
視-運動協調における時間的特性を分析するために、映像を遅延させる刺激装置を、Nobusakoらの研究(2018)を参考に作成した。映像遅延には映像の時間的ラグを制御するタイムラグチェッカー(朋栄YEMエレテックス社製EDA-1000)と1/60フレームレートで撮影できるビデオカメラ(Sony社製 HDR-CX480)を利用し、ビデオで撮影した映像をモニター上で1/60秒間隔で遅延し視聴できる装置を作成した。実施課題は拇指―示指タッピング課題(課題1)、手関節掌背屈課題(課題2)とし、課題1では指が接する条件と接しない条件、課題2ではフルレンジ可動させる条件と掌屈45°・背屈0°の間で行う条件の2条件で実施した。本研究では1/60秒から30/60秒までの間隔を1/60秒刻みでランダムに2施行実施し、2回とも遅延を感知した場合に遅延を認識できたと判断した。対象は20‐40歳代の健常成人5名と30歳代で、日常生活で運動の問題から一部支援を必要としている精神発達遅滞と診断されている女性(A氏)1名とした。健常成人では課題1の指を接しない条件は4/60から7/60秒の範囲、指を接する条件では2/60から6/60秒で遅延を認識できていた。課題2では、掌屈45°・背屈0°の間で行う条件では7/60から10/60秒、フルレンジ行う条件では6/60から9/60秒という結果であった。一方、A氏は課題1の指先を接しない条件では30/60秒、指を接する条件では27/60秒で遅延が認識できた。課題2では、掌屈45°・背屈0°の条件では11/60秒、フルレンジ行う条件では7/60秒で認識が可能であった。今回の結果では健常成人では課題1の方が遅延を認識しやすく、逆にA氏は築き難かった。条件では全被験者で指が接する、フルレンジの運動といったように触覚や固有覚の関与が大きいほどその精度が上がることが解った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験装置のタイムラグチェッカー(朋栄YEMエレテックス社製EDA-1000)の納品に時間がかかり実験設定の構築が遅れてしまった。現在、当初昨年度中に行う予定であった健常者の基礎データの収集を集中的に行っているところである。
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今後の研究の推進方策 |
・作成した視-運動協調における時間的特性を分析する映像遅延装置を用いて、健常成人の標準値及び発達障がい児・者で日常生活の中で不器用さの認められる対象者のデータの収集を令和6年度中に終了させる予定である。更に、この映像遅延に関する能力が運動能力の中で補正されているのかを分析できる反応時間課題を完成させる。 ・視-運動協調における空間的特性を分析できる装置を、デジタルタブレットを用いて開発する。
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