研究課題/領域番号 |
23K10776
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59030:体育および身体教育学関連
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(九州がんセンター臨床研究センター) |
研究代表者 |
中山 秀樹 独立行政法人国立病院機構(九州がんセンター臨床研究センター), その他部局等, 小児・思春期腫瘍科医長 (20627608)
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研究分担者 |
大園 秀一 久留米大学, 医学部, 准教授 (10309784)
古賀 友紀 九州大学, 医学研究院, 准教授 (60398071)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 小児がん / 晩期合併症 / サルコペニア / 体組成測定 / 骨格筋指数 / 体力低下 / 小児 / 思春期 / 筋肉量 / 体組成計 |
研究開始時の研究の概要 |
現在では小児がん患者の8割以上が長期生存しているが、小児がん経験者においても、最近筋肉減少症が晩期合併症の一つとして注目されている。しかし、頻度や危険因子などは明らかにされていない。一方、一般児童生徒における肥満児や痩身児の増加や体力テストの低下が報告されており、小児や思春期の筋肉量や体脂肪率を評価する必要性が高まっている。筋肉量や体脂肪率を測定する体組成計は、17歳以下の年齢別性別の基準値が無いため、6歳から17歳までの一般小児の体組成測定調査を横断的に実施して、この年齢の体組成の基準値を作成すると共に、得られた基準値を用いて小児がん経験者の筋肉減少症の実態を調査する研究を計画した。
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研究実績の概要 |
1. 健康な学校児童生徒における体組成測定調査:2023年4~6月に、小学校7校、中学校5校および高校4校の協力を得て、6-17歳の年齢別・性別の体組成測定調査を行った。同時に、実施可能な学校では、指輪っかテスト等の測定も行い、さらに同時期に学校で別途実施された体力テストの結果も収集した。当時の在籍生徒の総数は約11,500人で、そのうち体組成測定の同意を得た9,202人(約79%)の6-17歳の筋肉量や体脂肪率の年齢別・性別の基本統計量を算出した。さらに、握力等の体力テストの結果は約51%の5,914人のデータを得ることができた。 2. 小児のサルコペニア診断基準の見直しと調査結果:6-17歳における四肢骨格筋指数(SMI)は年齢が上がるとともに大きくなることがわかり、高齢者のサルコペニアのように、性別の一定のSMIカットオフ値ではサルコペニアを判定できないことが判明した。そこで、年齢別・性別の-2SD未満をSMIのサルコペニア基準とし、握力も文部科学省発表の年齢別・性別の-2SD未満と握力の基準と修正した。その結果、今回の調査では、小中学生の男子では小児サルコペニアに該当する生徒はいなかった。高校生男子で0.76%、女子では小学生の0.34%、中学生の0.42%および高校生の0.22%にサルコペニアに該当する生徒が見られた。 3. 小児がん治療終了後の患者の調査:2023年10月から九州大学病院小児科、久留米大学病院小児科および九州がんセンター小児・思春期腫瘍科で小児がん治療終了時、終了後1年後および2年後の血液腫瘍と横紋筋肉腫などの固形悪性腫瘍の患者さんの体組成測定と握力測定などの調査を開始した。2024年4月末時点で計34人の登録と測定が終了した。登録例が予想より少ないため、測定時期の規定を前後1か月ずつ拡大する研究計画の修正を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
健康児童生徒の調査は終了し、基本統計量の算出が可能となった。小児がん治療終了後の登録・測定数が予定より少ない。
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今後の研究の推進方策 |
小児がん治療終了後の患者の登録リクルートを改善するために、調査時期の拡大を研究計画を改訂して行った。現場のスタッフの異動によるマンパワー不足を補う方法を検討中。
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