研究課題/領域番号 |
23K10777
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59030:体育および身体教育学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大島 紀人 東京大学, 相談支援研究開発センター, 准教授 (70401106)
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研究分担者 |
大沼 久美子 女子栄養大学, 栄養学部, 教授 (00581216)
横山 孝行 東京大学, 相談支援研究開発センター, 特任助教 (40862678)
鬼塚 淳子 東京大学, 相談支援研究開発センター, 特任助教 (90585613)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 援助希求 / 高校生 / 学校教諭 / 教育プログラム / 健康教育 / 精神保健 / ピアサポート |
研究開始時の研究の概要 |
2022年度より高校保健体育の学習に精神保健が加わったが、本研究ではメンタルヘルスに重要な援助希求行動に着目して、学校で実践できる教育プログラム開発を行う。学生ピアサポートの知見を活かして作成したプログラムを、高等学校で実践する。本プログラムにより、学校での生徒の相談行動の促進が期待されるが、これに応える必要性から、教職員を対象に、生徒のメンタルヘルス相談の受け方、特に生徒同士の相談で困難をかかえた生徒の支援方法に注目した教育プログラムを開発し、高等学校等で実施する。
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研究実績の概要 |
保健体育授業での学びと連動して、生徒同士の相談行動を促進し、相談を生徒の成長(支援力・自己肯定感)につなげる教育プログラムの開発を行った。生徒向けに2つのプログラムを準備した。【プログラム1】「相談」について学ぼう:人はどのような時に他者に相談するかを理解し、相談した時・相談された時に気を付けることを、グループワークを通じて学ぶ。【プログラム2】仲間の話を聴こう(傾聴スキル):普段からできる相談しやすい環境作りについて学ぶとともに、生徒同士が「話を聴くワーク」を行い、学びを実践してみる。 また、教職員が生徒同士の相談行動を見守り、支援するスキルの育成をはかる教育プログラムを開発した。【タイトル】「メンタル相談を希望する」生徒の話の聴き方:相談が持つ、生徒のメンタルを支える力を知り、生徒からの相談にこたえるコミュニケーションの基本を学び体験する。 いずれのプログラムも関連知識に加えて、ロールプレイやグループワークなど参加型のプログラム構成とし、学校で実施する観点から、1時限50分間で実施できる内容とした。なお、開発予定であった【短縮版】プログラムについては、開発が進む中で、生徒への実践から出た意見を通じて改良して完成させることが望ましいと考え、2024年度も継続課題とした。 開発したプログラムなど研究成果は学会で報告したほか、体験型ワークショップとして学生・学校教諭を対象にプログラムを試行する機会を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度の研究計画では、 ・生徒の相談行動を支援する教育プログラムの開発 ・教職員が生徒の相談行動を支援する教育プログラムの開発 ・精神保健教育プログラムの普及と成果発表 を実施予定としていたが、研究実績の概要通りおおむね計画を達成することができた。研究計画のうち、短縮版プログラムについては、初年度に開発を進める中で、次年度以降、高校生に教育プログラムを実施する中で出た意見を反映させて改良したうえで完成させることが望ましいと考え、2024年度も継続課題とした。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、開発した教育プログラムの実施と効果測定・参加者の意見に基づく内容の改良を行う。高校生を対象とした研究(プログラム実施等)について、研究倫理審査をうけ実施承認を得ている。高校教諭に協力を求め、プログラム実施の打診と校内手続きを進める。 【生徒用プログラム】を高校1校で実施することを目標とし、プログラム中のワークシートの解析ほか効果測定を行う。また、【教職員用プログラム】を1回実施することを目標とするほか、コントロールとなる教職員研修を随時実施する。教職員用プログラムでは、プログラム実施前後でアンケート調査を行い、生徒の相談への援助意図・自信ほか尋ねることでプログラムの有効性を評価する。 教育プログラム実施により得られた参加者の感想などから、プログラムを改良するほか、短縮版プログラムの制作を進める。 研究実施によって得られた成果報告に加え、開発した教育プログラムの普及をはかるため、学会等での発表を予定している。
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