研究課題/領域番号 |
23K10794
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59030:体育および身体教育学関連
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研究機関 | 大阪電気通信大学 |
研究代表者 |
堀井 大輔 大阪電気通信大学, 共通教育機構, 准教授 (20340424)
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研究分担者 |
金田 啓稔 大阪電気通信大学, 共通教育機構, 教授 (70351484)
村木 有也 大阪電気通信大学, 共通教育機構, 准教授 (00515702)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 運動意欲 / 動機づけ / 基本的心理的欲求 / 自己決定理論 / 基本的心理欲求 / 統計的因果探索 |
研究開始時の研究の概要 |
身体活動の効果として,健康増進や健康寿命の延伸が注目され,ライフステージに応じた運動・スポーツの推進とその環境整備が行われているが,それらの取り組みに消極的で意欲の低い人がいることも事実である.この運動意欲の形成に影響を及ぼす要因に関する先行研究では,研究方法の欠点や証拠の不確実性から明確な因果関係までは提示されてこなかった.そこで本研究では,運動意欲の形成過程について統計的に因果関係を探索し,1)運動実践と運動意欲の因果関係を客観的に解明することや,2)運動実践に対する運動意欲の形成過程モデルを構築し,各要因の影響度を予測することによって,運動実践の習慣化に向けた提案を行うこととする.
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研究実績の概要 |
世界的にみても身体活動の不足は深刻な問題であり,このことが有病率や健康全般に大きな影響を及ぼしているため,各世代別に頻度・時間・強度などを示した運動が推奨されている(WHO,2010).国内でも生活習慣病の予防や生活機能低下のリスク低減だけでなく,気分転換やストレス解消など,総合的な健康増進の観点から身体活動が推奨されている.身体活動・運動の意義と重要性が広く認知され実践されることは,超高齢社会を迎える国内の健康寿命の延伸に有用であると考えられる(厚労省,2013).しかし,国内での運動習慣者の割合は,男性で33.4%,女性で25.1%であり,運動習慣の改善意思については,関心はあるが改善するつもりはない者の割合が最も高く,男性で23.9%,女性で26.3%となっている(厚労省,2020).この個人差の要因のひとつとして心理的な側面が考えられるが,その中でもとくに動機づけは身体活動と高い相関関係があり,動機づけの高低が身体活動の潜在的な決定因子とみなされている(Ng et al.,2012). 本年度の研究では,運動実施に影響を与える要因を識別し,個々の要因の重要性を明らかにすることを目的とした.大学生を対象にアンケート調査を実施し,交絡変数の調整,バイアスの低減,モデル依存性の緩和,解釈の容易さと複数の共変量を考慮した分析を行った.結果として,1.友人と運動・スポーツを一緒に行った程度が現在の運動実施レベルに影響すること.2.性別によって運動実施への影響要因に違いがあること.3.特に女性において,家族との運動参加度が現在の運動実施に影響を及ぼしている可能性があること.4.友人や家族との関係性構築が運動習慣に影響を及ぼす可能性があること.等の知見を得ることができた.今後は,運動実施および動機づけに影響を与える個人的および環境的要因を詳細に分析し,それに基づく介入が運動習慣の形成にどのように寄与するのかを検討していくこととする.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
収集したデータを分析し,結果については国内学会と国際学会で発表し,さらに関連する論文の執筆作業を行った.ただ,被験者や補助員の確保ができないこともあった.
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今後の研究の推進方策 |
前年度の結果として,仮定を設定するとモデルが比較的単純になり,推定に必要な観測数が小さくなったり,数理的な取り扱いが楽になったりする利点があった.今年度は,前年度のモデルの関係性を基にして,因果効果の大きさを定量化する平均因果効果を推測する.機械学習における教師なし学習の要領で抽出されたパターンから導き出されたモデルに対して,追加データの収集を行いながらモデルへの適合確率を求める.モデル選択では,モデルがデータ生成メカニズムを理論的に表現できているのか,事後予測チェックなどを用いて,データと確率モデルがフィットしているのかを視覚的にも確認していきながら,複数の研究で慎重にモデルの選択を行っていくことを想定している.
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