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NASHの診断マーカーとしてのニューロメジンUの有用性の検討

研究課題

研究課題/領域番号 23K10800
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分59040:栄養学および健康科学関連
研究機関大分大学

研究代表者

寺西 仁志  大分大学, 医学部, 助教 (70727081)

研究分担者 花田 礼子  大分大学, 医学部, 教授 (00343707)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
キーワードニューロメジンU / ペプチドホルモン / MASLD/MASH / 炎症 / 肥満関連疾患 / NMU / NASH / 肥満
研究開始時の研究の概要

近年、生活習慣病や肥満人口の増加に伴いNAFLDおよびNASHの増加が問題となっている。NAFLDおよびNASHの発症には、肝臓への脂肪蓄積や炎症など様々な要因が関与し、長期経過により肝硬変や肝癌に進行する。しかし、NASHの発症機構については未だ不明な点が多い。また、NASHの診断に有用な固有のバイオマーカーが無いため、診断が容易ではない。生理活性ペプチドであるニューロメジンU(NMU)は、エネルギー代謝亢進や炎症を引き起こし、NASHモデルマウスの肝臓において発現が亢進している。本研究では、NMUとNASHの関連を明らかにし、NMUのNASH診断マーカーとしての可能性を検討する。

研究実績の概要

近年、生活習慣病や肥満人口の増加に伴いMetabolic dysfunction-associated fatty liver disease(MASLD)およびmetabolic dysfunction-associated steatohepatitis(MASH)の増加が問題となっている。MASLDおよびMASHの発症には、肝臓への脂肪蓄積および酸化ストレスや炎症など様々な要因が関与し、長期経過により肝硬変や肝癌に進行することが明らかとなっている。本研究では、ニューロメジンU(NMU)がMASHの増悪因子としてどのように関与するのかを、GC-MS/MSを用いた網羅的メタボロミクス解析により明らかにする。また、NMUがMASHの診断マーカーとして有用であるかを検討し、臨床応用の可能性を追求する。
現在、NMUのELISAに用いる抗体を作製し終えた。また、NMUおよびNMU関連分子であるニューロメジンS(NMS)の両遺伝子欠損マウスを用いたMASLDおよびMASHモデルマウスを作製中である。今後は、NMUのELISA作製を行い、MASHモデルマウスやヒトMASH患者の血清を用いてNMUのMASH診断マーカーの可能性を検討する。
また、MASHモデルマウスの肝臓のメタボロミクス解析を行うことによりMASHの病態形成メカニズムの解析を行う。
さらに、NMU/NMS両遺伝子欠損マウスを用いた腎不全モデルマウスの作製およびその解析も行っており、血中の腎不全マーカーや腎臓での炎症および線維化に関わる分子のmRNA量、腎臓の形態変化の解析から、NMU関連分子が初期病態進行の抑制に関わることが示唆された。今後、2種類存在するNMU受容体の欠損マウスを用いて、腎臓におけるNMU関連分子がどの受容体を介して炎症惹起を行っているか調べ、その経路を解明する予定である。得られた知見は論文や学会で発表していく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ニューロメジンU(NMU)のN末端およびC末端のウサギ抗体の作製が終了した。現在、NMU の MASLD/MASH 発症機序への関与を解明するため、MASH誘導食(コリン欠乏食;CDAA)を負荷した肝臓の炎症モデルマウス(MASHモデルマウス)作製を行っている。
また、NMUの炎症関連実験として、ニューロメジンU(NMU)およびニューロメジンS(NMS)の両遺伝子欠損マウス(dKOマウス)を用いた食事誘導性腎不全モデルマウスの作製およびその解析も行っており、血中の腎不全マーカーであるクレアチニンや尿素窒素(BUN)を測定した結果、dKOマウスでは初期病態進行が有意に抑制されることが確認された。さらに、腎臓での炎症および線維化に関わる分子のmRNA量の有意な変化や、腎臓の形態変化などに関しても同様の結果が得られており、NMUと腎不全の関わりが示唆された。

今後の研究の推進方策

肝臓の炎症に関しては、炎症関連物質であるニューロメジンU(NMU)およびニューロメジンS(NMS)の両遺伝子欠損マウスを用いて作製したMASHモデルマウスの肝臓をGC-MS/MSを使用した代謝産物の測定を行うメタボロミクスにて解析し、NMU関連分子の欠損がどの代謝に関連しているかを調べ、NMU のMASLD/MASH発症機序への関与を解明する予定である。さらに、mRNAやタンパク質の量的な変動を調べ、NMUのMASH増悪因子としての分子機序を明らかにする予定である。
また、作製した抗体を用いてNMUのELISAを作製し、NMUがMASHモデルマウスの血中にNMUが存在するかを調べ、MASHのバイオマーカーとなり得るかを検討する。
腎不全に関しては、データをまとめて論文投稿する予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件)

  • [雑誌論文] Behavioral and neurological effects of Vrk1 deficiency in zebrafish2023

    • 著者名/発表者名
      Carrasco Apolinario Magdeline E.、Umeda Ryohei、Teranishi Hitoshi、Shan Mengting、Phurpa、Sebastian Wulan Apridita、Lai Shaohong、Shimizu Nobuyuki、Shiraishi Hiroshi、Shikano Kenshiro、Hikida Takatoshi、Hanada Toshikatsu、Ohta Keisuke、Hanada Reiko
    • 雑誌名

      Biochemical and Biophysical Research Communications

      巻: 675 ページ: 10-18

    • DOI

      10.1016/j.bbrc.2023.07.005

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Chemogenetic Activation of Oxytocin Neurons Improves Pain in a Reserpine-induced Fibromyalgia Rat Model2023

    • 著者名/発表者名
      Ikeda N、Kawasaki M、Baba K、Nishimura H、Fujitani T、Suzuki H、Matsuura T、Ohnishi H、Shimizu M、Sanada K、Nishimura K、Yoshimura M、Maruyama T、Conway-Campbell Becky L、Onaka T、Teranishi H、Hanada R、Ueta Y、Sakai A
    • 雑誌名

      Neuroscience

      巻: 528 ページ: 37-53

    • DOI

      10.1016/j.neuroscience.2023.07.028

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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