研究課題/領域番号 |
23K10805
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
井原 勇人 和歌山県立医科大学, 共同利用施設, 准教授 (00223298)
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研究分担者 |
廣野 守俊 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (30318836)
井辺 弘樹 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (60326353)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | サンショウアロマ成分 / 痛覚過敏緩和効果 / 水蒸気蒸留法 / アロマセラピー / 痛覚過敏 / 疼痛緩和調節系 |
研究開始時の研究の概要 |
疼痛緩和効果を有すると考えられる植物由来香気成分を同定すると共に、その成分の脳内における作用機序について明らかにしていきたい。 これまでの研究から、疼痛緩和効果に関連が強く示唆される下行性疼痛抑制系に着目し、活性化神経核を示す免疫染色法で同定し、さらに電気生理学的手法によって直接活性化されていることを示したい。 またそれら神経核において、発現誘導や抑制などの変化を示す遺伝子発現の解析やエピジェネティック修飾解析を行う。これらの解析を通じて、疼痛制御メカニズムの一端を明らかにしたい。
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研究実績の概要 |
アロマセラピーに代表されるように、嗅覚刺激によって生体機能の変化を来すことが知られている。申請者らは、最近予備的実験により慢性拘束ストレス誘導性痛覚過敏の緩和効果があることを明らかにした。 本年度は、予備的検討で示した疼痛緩和効果について詳細な検討を行うと伴に、サンショウアロマ成分を水蒸気蒸留法にて抽出し、その成分解析をおこなった。 1)慢性拘束ストレスマウスモデルを1日6時間、10日間の慢性拘束ストレスを負荷し作成した。このモデルマウスは痛覚過敏状態がその後60日以上続くモデルである。痛覚過敏状態のマウスにvon Freyテストによって、マウス下肢の機械的感覚閾値(Threshold(g))を測定した。痛覚反射で足を払う際のフィラメントの値(g)を測定し、下肢への機械刺激に対する痛覚反応の評価を行った。その後、嗅覚刺激のないコントロール群は、28日間経ってもvon Freyテストによる機械的感覚刺激閾値が回復しないのに対し、サンショウアロマ吸入群では、優位に機械的感覚閾値が上昇し、慢性ストレスによる痛覚過敏が緩和された。 2)種ぬき乾燥ブドウサンショウを原料とし、水蒸気蒸留法にてサンショウ精油成分を抽出した。これらの精油をアセトンで50倍希釈して、サンプルとし、ガスクロマトグラフィーでアロマ成分を分析した。その結果、揮発成分としてリモネン(19%)、酢酸ゲラニル(49%)、β-フェランドレン(11%)、シトロネラ―ル(5%)、ゲラニオール(4%)等が含まれていることが分かった。これらのアロマ成分のうち、どの成分が疼痛緩和に寄与するかを今後調べる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
サンショウアロマ成分は同定できたものの、各単一成分を分離することは困難であると考えられる。次年度では、どの成分が疼痛緩和効果に寄与しているかを同定する予定であるが、上記の理由でむづかしいかもしれない。
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今後の研究の推進方策 |
単一成分調整の困難性はあるものの、化学合成法や専門の業者に合成を委託することも検討したい。 脳内で起こっている嗅覚刺激伝導系と下行性疼痛抑制系の接点である神経核を抽出し、サンショウアロマ成分によって、どの様な遺伝子発現の変化があるかを、GeneChip解析等で明らかにしたい。疼痛緩和効果に伴い変動する遺伝子、痛み関連の遺伝子群などを中心に解析したい。
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