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肥満による好酸球性喘息悪化の機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K10806
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分59040:栄養学および健康科学関連
研究機関自治医科大学

研究代表者

早川 裕子  自治医科大学, 医学部, 客員研究員 (80626929)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワード肥満 / 喘息 / 好酸球
研究開始時の研究の概要

肥満は、喘息の症状悪化とステロイド抵抗性獲得を高める危険因子である。しかし、肥満に由来するどのような因子が喘息悪化に作用するのか、その詳細は未だ明らかではない。本研究は、肥満喘息のなかでも難治性である好酸球性喘息に焦点を絞り、肥満喘息モデルマウスの予備実験にて増加が確認されたサイトカインIL-33を候補として、病態悪化の分子機序を解明する。本研究の成果は、好酸球性喘息の悪化を招く肥満要因の解明のみならず、ステロイド薬に代わる新たな治療薬開発にもつながるものと期待できる。

研究実績の概要

本年度は、肥満-好酸球性喘息モデルの作製法と評価法を確立した。肥満-好酸球性喘息モデルは、8-10週齢のメスマウスに普通食または高脂肪食を16週間給餌した後、卵白アルブミンの腹腔内投与と点鼻投与により喘息を惹起し作製した。喘息の対照群には生理食塩水を腹腔内投与した。野生型マウスでは、高脂肪食を給餌した場合、普通食給餌に比べて体重が1.4倍増加、腹部脂肪重量が6.5倍増加した。また、血漿中の総コレステロール、遊離脂肪酸、中性脂肪が高値を示し、脂肪肝を発症した。
高脂肪食-喘息群は、普通食-喘息群に比べて、肺胞洗浄液中の総細胞数が増え、とくに好酸球数の増加が顕著であった。好酸球誘導に関わるIL-5などのTh2サイトカイン濃度上昇も認められた。肺組織内の炎症細胞数、および細胞表面抗原の発現を解析したところ、高脂肪食-喘息群は、他群に比べて、マクロファージと好中球の数は少なかったが、好酸球、特定のT細胞および自然リンパ球が増加していた。また、T細胞および自然リンパ球では、IL-33受容体の発現亢進が認められた。これらの結果から、肥満を伴う好酸球喘息は、通常体重の喘息よりも重篤化することが示唆された。
肥満-好酸球性喘息におけるIL-33シグナル伝達の役割を検討するために、上記モデルをMK2とMK3の欠損マウスに適用した。高脂肪食を給餌したMK2欠損、MK3欠損、MK2/MK3二重欠損マウスは、野生型マウスと同等に体重増加したことから、MK2とMK3欠損は肥満に影響しないことが示唆された。喘息の病態については順次解析中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

令和5年度内に、野生型マウスにおいて肥満-好酸球性喘息モデルの作製法と評価法を確立し、MK2およびMK3の欠損マウスにも適用した。高脂肪食給餌による体重増加にMK2とMK3の欠損が影響しないことが明らかになり、今後、喘息を中心とした病態解析を進めることができる。

今後の研究の推進方策

令和6年度以降、MK2とMK3の欠損マウスを中心に解析し、肥満-喘息発症におけるIL-33シグナル伝達の役割を明らかにする。また、肝臓、および脂肪組織を中心に、好酸球性喘息を誘導する肥満由来因子を探索する。さらに、喘息病態の重篤化を防ぐ薬剤投与実験、および治療的実験を実施する。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考] 自治医科大学 医学部 生化学講座 病態生化学部門ホームページ

    • URL

      https://jichi-biochem.jp

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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