研究課題/領域番号 |
23K10808
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
鈴木 裕 杏林大学, 医学部, 准教授 (30407001)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 膵頭十二指腸切除術 / 骨格筋脂肪化 / サルコペニア / 予後 / 合併症 |
研究開始時の研究の概要 |
サルコペニアは骨格筋減少の指標として、またIntramuscular adipose tissue content (IMAC)は骨格筋脂肪化の指標として注目され、いずれも悪性腫瘍の予後不良因子として報告されている。サルコペニアに対する栄養・運動介入は筋力や身体機能の改善効果の報告はあるが、術後短期・長期成績への効果は明らかでない。 一方、膵頭十二指腸切除術は大きな侵襲と高い合併症発生率のため、回復が遅れ、必要な術後補助化学療法が行えない症例も多い。 本研究は、IMAC値、サルコペニアと膵頭十二指腸切除術症例の治療成績との関係、および栄養・運動介入による成績改善への効果を解析するものである。
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研究実績の概要 |
筋肉量の減少を示すサルコペニアと筋肉の脂肪化を示すIntramuscular adipose tissue content(IMAC)は悪性腫瘍の予後不良因子として知られている。サルコペニアに対する栄養・運動介入は筋力や身体機能の改善効果はあるが、予後や再発などの長期成績に対する効果は明らかでない。一方、膵頭十二指腸切除術は大きな侵襲と高い合併症発生率のため、必要な術後治療が行えない症例も多い。本研究の目的は膵頭十二指腸切除術の短期・長期成績におけるサルコペニアおよび骨格筋脂肪化IMACの影響を検討することである。また、栄養や運動の介入によるIMAC値の改善効果や短期・長期成績の改善効果を解明することである。 本研究は栄養・運動介入のない症例をコントロールとし、これらを後ろ向きに集積する。さらに、栄養・運動介入をする症例を前向きに集積し、これらを比較検討する。 まずは、本年度はコントロール症例の後ろ向き集積から開始した。2014年から2022年にかけて杏林大学医学部消化器・一般外科で行われた膵頭十二指腸切除術症例を対象として、診療録から患者背景、膵頭十二指腸切除術を行うことになった原因疾患、術前血液検査値、栄養評価、術前処置、手術時間、出血量、術中所見などのデータ集積を行った。結果273例の症例を集積することができた。 この273例に関してIMAC値と長期成績に関して解析すると、IMAC高値例は非高値例に比べ予後不良であることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究の実施計画として、2023年度は後ろ向き部分のコントロール症例のデータ収集を行う予定であり。2024年度にはこの後ろ向き部分を解析し学会発表や論文報告を行いつつ、前向きの症例集積を行う予定としていた。 まずは後ろ向き部分の研究に関して研究計画を策定し、本学倫理委員会に申請、承認を得た(杏林大学医学部倫理委員会承認番号2188)。症例集積が予定以上に早く集積でき、2023年度に後ろ向き部分の解析の一部を行うことができた。その結果を学会や研究会で発表することができた。また、一部の研究会では優秀演題賞を受賞でき、本研究の注目度の高さを再確認することができた。
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今後の研究の推進方策 |
まずは、後ろ向き研究の解析を継続する。とくに、対象期間を延長し症例数を増やして再検討する。さらに、術後合併症発生などの短期成績とIMACとの相関を解析する。さらに、当初の研究計画にはなかったが、皮下脂肪面積や内臓脂肪面積などが同様に予後や合併症発生に影響するのか、データ収集を行い解析する。この結果を学会発表および論文報告する。 並行して、前向き部分の研究計画の詳細を策定し、杏林大学医学部倫理委員会に申請する。
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