研究課題/領域番号 |
23K10809
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
佐藤 淳子 順天堂大学, 医学部, 准教授 (10529837)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2027年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 1型糖尿病 / 食事療法 / QOL / Quality of Life / 個別化医療 |
研究開始時の研究の概要 |
日本糖尿病学会は数年前に2型糖尿病の食事療法の大幅な見直しを行った。これは、患者のQOL(Quality of Life)や治療の継続性を考慮すると、これまでよりも自由度の高い、個別化された食事摂取が必要であるという事実に基づく。一方、学会は1型糖尿病の食事療法の在り方に明確な提言はしていない。これは日本人1型糖尿病患者の食事実態そのものに関するデータや介入研究が不足しているためである。そこで本申請では、申請者がこれまで行ってきた日本人1型糖尿病患者の食事療法の実態調査に基づいて、患者のQOL維持に配慮しながら、個別化医療を実現するための食事療法の在り方を提言し、その有効性に関して検証する。
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研究実績の概要 |
食事療法に関しての研究を行うための基礎データを取得する目的で、我々は1型糖尿病患者のコホートを作成した。東京都の順天堂大学と、静岡県のあそうクリニックに継続的に通院し、インスリンを使用している成人1型糖尿病患者352名からなるコホートで、彼らから縦断的な臨床データと、生活習慣とQOLに関する7つの質問票への回答を取得している。このコホート研究の主要アウトカムは、(1)糖尿病における問題領域(PAID)スコアと、疫学的データ、臨床的特徴、病歴、生活習慣、治療歴、生化学的データ、他質問票スコアなどの諸要因との関係、(2)Beck Depression Inventory(BDI)-IIスコアと前述の諸要因との関係である。副次的アウトカムは、前述の諸要因と以下の各要因との関係である: (1)血糖コントロール、(2)血中脂質コントロール、(3)食事パターン、(4)低血糖の恐れ、(5)睡眠パターン、(6)身体活動。このコホートで5年間の経過観察を行う予定であるが、この基礎データをもとに、1型糖尿病患者のための個別化医療を実現する食事療法を考える。今回の期間の研究実績は、このコホート研究のプロトコール論文をDiabetes Therapyに投稿、アクセプトされたことである( 2024 Apr;15(4):883-892. doi: 10.1007/s13300-024-01539-0. Epub 2024 Feb 15)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1型コホートの研究は順調に進行し、あと1-2年で5年間の経過観察も終了する予定である。このコホートで集められた様々なデータ、特に食事パターンを中心とするデータをもとに1型糖尿病患者の血糖コントロールとQOLに有用な食事療法を考える。現在基礎データが集まりつつあり、今年中には1型糖尿病患者の食事療法の実際について論文化し、その結果をもとに、ランダム化研究などを組み立てる予定である。
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今後の研究の推進方策 |
①基礎データ構築のための1型コホートの研究に関しては、臨床データ(イベントとその転帰、生化学的データ、治療方法の変更など)を1年毎に継続取得する。また開始時と5年目に予定していた、生活習慣とQOLに関する7つの質問票の配布準備を行う。 ②これまでの研究で見えてきた個別化両方を実現するために理想的な食事療法の内容を明らかにし、その有用性を照明するためにアプリ等も用いたランダム化研究などを検討する。
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