研究課題/領域番号 |
23K10822
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
山次 俊介 福井大学, 学術研究院教育・人文社会系部門(教員養成), 准教授 (40311021)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 高齢ドライバー / Multi-task / 認知機能 / 自動車運転 / 高齢者 |
研究開始時の研究の概要 |
高齢ドライバーの自動車運転事故が社会問題となっている。この問題に対して、免許更新制度の見直しや免許証の自主返納など高齢者の運転を制限する方向で議論されているが、高齢者の生活空間の維持において、特に地方では自動車運転の可否は大きく影響する。高齢者ドライバーが安全に運転できるような支援策として、運転中の認知、判断、操作過程での遅延・ミスを評価し、エクササイズによって改善するプログラムの開発が重要となる。本研究では、安全運転に必要な身体・認知機能テストとそれらを改善する運転関連機能エクササイズを開発し、地域で行われている介護予防プログラムに組み込むことを目的としている。
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研究実績の概要 |
本研究は、介護予防教室をベースとした高齢ドライバーの運転機能を高めるためのエクササイズの開発を目指している。 本年度は、Dual-task testの測定装置の製作に取りかかった。見越しとタイミング一致テスト用のプログラム作成を実施し、試作器を作成した。介護予防教室に参加する高齢者140名を対象として、ドライバー(104名)と非ドライバー(34名)の身体・認知機能の差を検証した(両群間の年齢に有意差は認められない)。また、ドライバーについて「運転中の危険経験」および「周囲からの運転危険の忠告有無」について調査した。その結果、運転中に危険を感じたことがある者は易転倒性、ADL、筋力に劣り、運転時の安全性にこれらの因子が影響していることが示唆された。周囲からの忠告は、易転倒性やバランス能力など日常生活における“ふらつき”や“つまずき”などをもとになされている可能性がある。本研究のドライバーのうち、18.8%にあたる20名がMCI予備群と判定されたが、これらの者が必ずしも危険経験や周囲から忠告されているわけではなかった。また、MCI予備群と健常群の身体機能にも差異は認められなかった。高齢者ドライバーの安全運転評価には、易転倒性やADL、筋力などの評価に加えて、身体・認知機能を同時に評価できるMulti-task評価などの別のアプローチが必要であることが示唆された。この知見をもとに、Dual-task test、およびDual-task exerciseを介護予防現場において定期的な実施を始めており、次年度にはこれらについての結果を学会等に発表する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Dual-task test機器は試作器から改善が必要であるが、介護予防教室などにおいて測定が会しできており、おおむね順調に進展している。高齢者の身体・認知機能と自動車運転に関する調査結果を学術大会にて報告できており、研究課題の検証も順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画どおり進めていく。Dual-task機器の製作については本年度製作の試作器を改善する予定である。また、課題4の運動関連機能エクササイズについては、介護予防教室において試行を開始し、参加高齢者が楽しみながら実施できるものを選定していく。
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