研究課題/領域番号 |
23K10826
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
三明 淳一朗 鳥取大学, 医学部, 准教授 (40372677)
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研究分担者 |
澤野 達哉 鳥取大学, 医学部, 助教 (10813967)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 老化心筋細胞 / Stanniocalcin-1 / 多様性 / 単一細胞トランスクリプトーム解析 / 細胞老化 / セノセラピー |
研究開始時の研究の概要 |
老化細胞の蓄積抑制を目標としたセノセラピー研究は世界的な潮流であるが、細胞老化の拮抗的多面発現性に対処していない。本研究では、ヒト老化心筋細胞とマクロファージを用いて、(1) Stanniocalcin-1の食作用チェックポイントCalreticulin発現に対する役割(オートクライン効果)、(2)Stanniocalcin-1のCalreticulin受容体発現に対する役割(パラクライン効果)、(3)Stanniocalcin-1の食作用における役割(機能的役割および食作用関連遺伝子の発現制御)の解明を行う。本研究は、細胞老化の拮抗的多面発現性に対処できる新規セノセラピー開発の基盤となる。
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研究実績の概要 |
本研究では、老化心筋細胞におけるStanniocalcin-1の役割を解明することを目的としています。特に、老化心筋細胞の多様性とその遺伝子発現の制御機序に焦点を当て、老化細胞の蓄積メカニズムとその治療潜在性を探求しました。2023年度には、老化を誘導した心筋細胞と未処理の対照群との間で単一細胞トランスクリプトーム解析を行い、その結果、老化心筋細胞の中でStanniocalcin-1が果たす遺伝的および分子的役割について重要な知見を得ることができました。この研究成果は、老化心筋細胞の遺伝子発現パターンにおいて顕著な違いを示し、特にStanniocalcin-1が細胞老化の制御において中心的な役割を担っていることを示唆しています。これらの発見は、老化細胞の行動を調節することにより老化関連疾患の治療に対する新たなアプローチを開く可能性があります。 研究の進行により、Stanniocalcin-1が老化心筋細胞の多様性と複雑性を理解する鍵であることが明らかになりました。このため、老化心筋細胞におけるStanniocalcin-1の正確な作用メカニズムの解明は、セノセラピーの新規戦略を設計する上で極めて重要です。今後、この研究は老化細胞の生物学的および治療学的理解を深めることに寄与すると期待されます。このような研究成果は、老化細胞の蓄積と関連疾患の進行を抑制する可能性を持つセノセラピーの開発に向けた基盤となります。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の進捗状況は、やや遅れていると評価されます。計画では、2023年度内にドライ解析を完了し、得られたデータからStanniocalcin-1の機能的役割および老化心筋細胞におけるその表現制御の詳細を解明する予定でした。しかし、ウェット実験のデータ処理が予想以上に時間を要し、その結果、ドライ解析の開始が当初の予定よりも遅れました。 この遅れは、特に単一細胞トランスクリプトーム解析のデータの複雑さと量が予測を超えたためであり、これによりデータの前処理と解析に追加の時間が必要となりました。しかしながら、現在では解析作業を進める体制が整い、次の研究ステップに必要な情報を抽出する過程にあります。 遅れはあるものの、これまでの成果は研究の重要な基盤を築いており、老化心筋細胞におけるStanniocalcin-1の役割についての理解を深めることができています。今後は解析を加速し、予定されている研究目標に向けて着実に進めていく計画です。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題におけるドライ解析の進捗は、専門企業に一部アウトソーシングしているため、遅れが発生しています。この問題に対応するため、外部の専門企業との連携をさらに強化し、データ解析のスピードと品質を向上させる措置を講じます。具体的には、追加の専門スタッフの配置やコミュニケーションプロセスの改善を行い、効率的な作業進行を確保します。 また、解析プロセスの最適化のために、最新のバイオインフォマティクスツールを積極的に導入し、データ処理の自動化と高速化を目指します。これにより、遅れを取り戻すとともに、今後の研究スケジュールにおける時間的余裕を生み出すことが期待されます。 老化心筋細胞のStanniocalcin-1に関するさらなる研究として、既存データから新たに特定されたターゲットに焦点を当てた追加実験を計画しています。これにより、その機能的役割をより深く理解し、セノセラピー開発に向けた基盤を強化します。 リソースの効果的な配分とスケジュールの再調整を通じて、研究の進捗を最適化し、計画された目標の達成を目指します。
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