研究課題/領域番号 |
23K10834
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
樋浦 仁 東京農業大学, 生命科学部, 准教授 (70451523)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 葉酸 / DOHaD / エピジェネティクス / 前精原細胞 / エピゲノム |
研究開始時の研究の概要 |
DOHaDの制御機構として、DNAの配列変化を伴わない遺伝子発現制御機構(エピジェネティクス)が『細胞の記憶』として関与していると考えられている。さらに、エピジェネティクス異常が生殖細胞を通じて世代を超えて伝達することが指摘されている。本研究では妊娠期食餌性葉酸摂取量が雄性生殖細胞のエピジェネティクスに与える影響およびこの影響が次世代へ継承されるかを明らかにするために、妊娠雌マウスに葉酸欠乏食餌を与え、新生仔雄マウス生殖細胞における全ゲノムDNAメチル化およびヒストン修飾解析を行い、DNAメチル化およびヒストン修飾異常領域を同定する。
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研究実績の概要 |
DOHaD(Developmental Origins of Health and Disease)説は、胎児期から乳幼児期における栄養環境が成人期の生活習慣病の発症リスクを上昇させる説であり、近年、国際的に注目されている。この制御機構として、DNAの配列変化を伴わない遺伝子発現制御機構(エピジェネティクス)が『細胞の記憶』として関与していると考えられている。さらに、エピジェネティクス異常が生殖細胞を通じて世代を超えて伝達することが指摘されている。しかし、妊娠時(F0)の食事(餌)性葉酸摂取量が胎児(胎仔)の次世代(F2)の健康に与える影響は未だ不明なことが多い。本研究では妊娠期の食餌性葉酸摂取量が雄性生殖細胞のエピジェネティクスに与える影響およびこの影響が次世代へ継承されるかを明らかにするため、7週齢C57BL/6N雌マウスに腸内細菌による葉酸合成を阻害するSuccinylsulfathiazoleを添加したAIN-93M精製飼料をベースに対照群(2 mg葉酸/kg食)および葉酸欠乏群(0.2 mg葉酸/kg食)として4週間給餌し、Oct4-GFP雄マウスと交配させ、妊娠18.5日胎仔精巣から前精原細胞をFACSにより分取した。分取した前精原細胞をトランスクリプトーム解析に供試した結果、対照群と比較して葉酸欠乏群において遺伝子発現量変化が1.5倍以上かつFDR<0.05を満たす336発現減少遺伝子および324発現上昇遺伝子を抽出した。これら遺伝子のGene Ontology解析を行った結果、DNAメチル化などエピジェネティクスに関連するターム、細胞増殖や器官分化など発生に関連するタームなどが有意に上昇していた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
妊娠期の食餌誘導性葉酸欠乏マウスを作出し、妊娠18.5日胎仔精巣よりFACSにより前精原細胞を分取し、トランスクリプトーム解析を行ったが、サンプル量が少なかったためDNAメチローム解析を実施できなかった。また、出産した母マウスが離乳までに食殺や育児放棄によりすべての子マウス(F1)が死亡しF1世代個体の解析および次々世代(F2)の個体産生が行えなくなったため、研究の進捗状況は少し遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
再度、食餌誘導性葉酸欠乏マウスを作出し、妊娠18.5日前精原細胞のゲノムワイドなDNAメチル化解析およびヒストン修飾解析を行う。また、妊娠期食餌誘導性葉酸欠乏マウスを出産させて、次世代個体における解析および次々世代(F2)の個体産生を進めていく。
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