研究課題/領域番号 |
23K10839
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
飯塚 勝美 藤田医科大学, 医学部, 教授 (40431712)
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研究分担者 |
矢部 大介 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 特任教授 (60378643)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 低栄養 / ChREBP / Mlx / 骨格筋 / サルコペニア / 低タンパク食 / インスリン |
研究開始時の研究の概要 |
絶食下でブドウ糖を補うことで筋肉分解を抑えられるという概念はタンパク節約効果と呼ばれ、栄養療法の基礎となる概念である。しかし機序は不明な点も多い。グルコースにより活性化されるChREBP/Mlx、MondoA/Mlxは代謝を司る遺伝子の発現を調節する転写因子(スイッチ)である。本研究ではまず、インスリンがChREBP/Mlx、MondoA/Mlxの両者の活性化に必要なことを明らかにする。次に、Mlxの抑制によりグルコースによる蛋白節約効果が消失するかを明らかにする。以上から、タンパク節約効果におけるChREBP/MondoA/Mlx経路の関与を明らかにし、サルコペニア予防法開発に活用する。
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研究実績の概要 |
本研究はグルコース活性化転写因子であるChREBPとそのヘテロダイマーを形成するMlxが骨格筋でも発現していることから、両者の役割を遺伝子欠損マウスを用いて明らかにすることである。特に低栄養下ではブドウ糖の存在が骨格筋減少を抑制するため、ChREBP/Mlxの欠損ではこの効果が減弱すると予想し、研究を立ち上げた。 今年度はマウスの購入、個体化をまず行い、並行してChREBPノックアウトマウスでの単独の解析を先行して行った。 **MLXマウスの個体化については、MMRRCから精子を購入し、個体化を行なった。オスのホモマウスは不妊であるためか、ヘテロマウス同士の交配でも思った以上に妊娠マウスができてこなかったが、現在までに3匹のマウスで妊娠・出産を確認した。うち1匹については生後すぐに食殺してしまったが、もう2匹については飼育を確認している。 **低タンパク食負荷ChREBPノックアウトマウスについては、18週齢オスの全身型ChREBPノックアウトマウス(KO)及び野生型マウス(WT)に対して、コントロール食及び低たんぱく食を12週間負荷し、以下の検討を行った。総蛋白は全ての群で同程度であったが、アルブミンは低タンパク食負荷によりKOで有意に低下し、低栄養モデルとして問題ないことを確認した。体重に関しては、通常食WT>通常食KO=低たんぱく食WT>低たんぱく食KOと低たんぱく質食KOが最も体重が有意に低値であった。握力についても、通常食WT>通常食KO=低たんぱく質食WT>低たんぱく食KOと低たんぱく質食KOが最も体重が有意に低値であった。筋肉量に関しては、前脛骨筋、腓腹筋では、低たんぱく質食WT>低たんぱく質食KOと有意に低下した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Mlxマウスの海外からの導入、精子を利用した個体化、ヘテロマウス同士の交配など時間がかかることは予想通りである。ChREBPノックアウトマウスと同様の検討を行えば良いので、マウスの数が揃えば次年度に検討を始められるため、大きな問題はないと思う。
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今後の研究の推進方策 |
*ホモMlxマウスの導出については、ホモのMlxマウスを十分な数確保するため、ヘテロ同士の交配だけでなく、オス ヘテロとメス ホモの交配も進めていく。 *低タンパク食ChREBPノックアウトマウスの解析については、mRNA発現量に加え、速筋遅筋の比率などの解析を進める。 *Mlx ChREBPダブルノックアウトの導出については、メス ホモのMlxマウスができれば、オスのChREBPマウスと交配し、ダブルノックアウトマウスの作出を進めていく。
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