研究課題/領域番号 |
23K10844
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
川本 典生 岐阜大学, 医学部附属病院, 准教授 (50397337)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | IgEエピトープ / 食物アレルギー / アレルギー / 即時型 / IgE / 脱顆粒 |
研究開始時の研究の概要 |
IgE依存性の即時型食物アレルギーは、抗原特異的IgE抗体によりマスト細胞や好塩基球の脱顆粒の誘導が根本にあるが、そのメカニズムの詳細は十分に解明されていない。マスト細胞や好塩基球に影響する要素としては①抗原とIgEの親和性、②IgE抗体のエピトープの多様性、③細胞表面上のエピトープ特異的IgEの密度、④好塩基球自身の特性などがあると考えられる。アレルゲンのエピトープごとのとIgE抗体の関係を知ることで、アレルギーの症状の惹起に関わるメカニズムの一端の解明に挑む。エピトープ毎に血清から除去するないしは競合阻害させることによりIgEの反応性が変わるかどうかを検証する。
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研究実績の概要 |
今年度は、これまでに行ったパイロット研究の追試を行うなどして、計画している実験手法の安定化を図った。 アレルゲンに対するオーバラッピングペプチドに特異的なIgE抗体をELISA法で検証した。αS1カゼインを対象として実験を行った。必要となる血清量を削減するために、half area microplateを導入し、化学発光法を用いたELISAにおいて通常のplateと比べて遜色のない結果が得られる事がわかった。また、これまでにヒトマスト細胞株を複数試したが、特にKU812やKU812Fなどの国内でも入手が容易な細胞株では、適切にIgEの架橋による細胞の活性化を確認する事が出来なかった。今回、過去にマスト細胞株活性化試験に対して使用実績のある新たな細胞株を、海外の研究機関とやり取りをするなどの手続きを経て入手した。これは、次年度の研究としてIgE抗体による架橋の評価系として大変重要である。その他に、好塩基球活性化試験の条件設定を行った。特にマスト細胞の活性化を評価するために必要な技術的基盤となると考えている。従って、今後、マスト細胞株活性化試験を行った時に安定して実施できるように調整を重ねた。複合的に準備をすすめ、次年度に実験等を行う環境を整えた。また、同時に研究に用いるペプチド群の作製も進めた。リコンビナントのペプチドを大量合成してELISAやペプチド特異的IgE抗体の除去に用いる予定である。 以上の事より次年度に実験をすすめる土壌が概ね整ったと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね順調に計画通りに進んでいたが、年度の後半は海外の研究期間からの培養細胞株の使用に際してMTAの締結プロセスに多くの時間を要し、概ね3か月以上かかる事となった。年度内に行う予定だった研究を一部次年度に先送りするなどして一部変更を行った。
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今後の研究の推進方策 |
新たな細胞株を入手したため、まずは細胞を増やして文献を参考にしながら、細胞の性質を確認し、IgEの架橋を正確に反映できる性能があるかどうかを検証する。その上で、本研究の最大の目的である特定のアレルゲンエピトープに結合するIgE抗体を低減する事によりIgEの架橋に対する影響を解明していく予定である。
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