研究課題/領域番号 |
23K10866
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
盛重 純一 金沢大学, 医学系, 助教 (50423405)
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研究分担者 |
吉岡 和晃 金沢大学, 医学系, 准教授 (80333368)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | スフィンゴシンキナーゼ / 褐色脂肪細胞 / リソソーム / 細胞外小胞 / スフィンゴシン1-リン酸 |
研究開始時の研究の概要 |
褐色脂肪細胞のリソソーム膜で生理活性脂質のS1P産生が亢進すると熱産生がもたらされることを示唆する結果を得たが,S1P産生酵素の単独欠損では,S1P産生の抑制が十分ではなく,体温低下も軽度なことが判明し,熱産生機構におけるS1P代謝の重要性は未だ明確ではない.この問題を解決するため,本申請課題は新たに作製した褐色脂肪細胞特異的S1P産生酵素の二重欠損マウスを解析し,褐色脂肪細胞のS1P産生と熱産生機構との関係性を明らかにすることを目的とする.さらに褐色脂肪組織由来の細胞外小胞が白色脂肪組織の褐色化に与える影響について,SphK1とSphK2が関連するか否かも検討する.
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研究実績の概要 |
これまでの研究でマウスを寒冷下で飼育すると褐色脂肪組織で主要なスフィンゴ脂質代謝酵素の1つであるスフィンゴシンキナーゼ1(SphK1) が増加すること,褐色脂肪細胞ではSphK1がリソソームマーカーと共局在し,SphK1を欠損させるとリソソーム数が減少することを明らかとしていた.本年度の研究でリソソーム数とSphK1との関連性について検討したところ,SphK1を欠損させた褐色脂肪細胞に野生型のSphK1をトランスフェクトすると減少したリソソーム数が回復した.一方,酵素活性を持たないSphK1をトランスフェクトした場合ではリソソーム数は回復せず,SphK1よるスフィンゴシンの代謝がリソソーム生合成に重要であることが明らかとなった.また,SphK1欠損マウスでは低温下での体温が野生型マウスよりも低くなることを認めていたが,褐色脂肪細胞での熱産生が行われるミトコンドリアの数や呼吸鎖複合体の発現レベルにはSphK1欠損の影響はなかったものの,リソソームによる細胞内分解機構の1つであるオートファジーには変調が生じていた.さらにSphK1欠損マウスの褐色脂肪細胞では熱産生の燃料であるトリグリセリドが野生型マウスよりも高値を示した.これらの結果から,SphK1欠損により観察された熱産生の低下は,リソソーム数の減少を起因として熱産生の燃料供給過程に問題が生じていることが原因と考えられた.さらに,マウスの褐色脂肪組織由来の細胞外小胞について調べたところ,放出量に関してはSphK1の関与は認められなかった.現在,別のSphKサブタイプであるSphK2の関与についても解析を進めているところである.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本課題の研究計画の中で重要な位置を占める褐色脂肪組織特異的なSphK1とSphK2の二重欠損(BA-DKO)マウスは予定通り作製できたものの,実際に褐色脂肪組織でSphK1とSphK2を欠損していることの証明に時間がかかっており,BA-DKOマウスを使用する研究ができておらず他の研究計画を先に実施している.
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今後の研究の推進方策 |
本年度はBA-DKOマウスの確立を最優先で進める.その一方で,培養細胞レベルでのSphK1/SphK2の二重欠損褐色脂肪細胞 (DKO-BA) の作製も並行して開始する.DKO-BAが作製できれば,SphK1/SphK2の二重欠損がリソソーム生合成におよぼす影響から解析を始める.また,細胞外小胞について,まずSphK1とSphK2,それぞれの単独欠損マウスの細胞外小胞の定量と定性の解析を進める.BA-DKOマウスは確立でき次第,体温測定とリソソーム,細胞外小胞の定量と定性の解析に入る.
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