研究課題/領域番号 |
23K10875
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
|
研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
永井 成美 兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (60364098)
|
研究分担者 |
坂根 直樹 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 臨床研究企画運営部, 研究室長 (40335443)
半澤 史聡 兵庫県立大学, 環境人間学部, 助教 (50910022)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 時間栄養学 / 不規則勤務 / シフトワーク / 食環境 / 介入 / ヘルシーメニュー / 自動販売機 / ナッジ / 職場 / 教育的アプローチ / 介入研究 |
研究開始時の研究の概要 |
都市機能の24時間化により、夜勤・交替勤務、遅い就業時刻、不規則勤務など勤務形態が多様化し、体内時計と活動―休息リズムの不調和による健康リスクの高い就労者が増えている。本研究では、時間栄養学の知見を応用し、体内時計が変調しやすい勤務形態の就労者が自然に健康になれる食環境とはどういうものかを、実際の職場で探求することを目的とする。夜勤・シフト勤務や不規則勤務者を雇用する事業所において、①勤務形態別に生活リズムと健康リスクの関連を調査、②勤務形態等を考慮した教育的・環境的アプローチの考案、③介入研究(効果検証)を行い、就労者が自然に健康になれる職場の食環境構築に資するエビデンスの提供を目指す。
|
研究実績の概要 |
本課題の目的は、時間栄養学的観点から、体内時計が乱れやすい勤務形態にある就労者の健康リスクを低減する教育・環境的アプローチを探究し、就労者が自然に健康になれる職場の食環境モデル構築を目指すことである。1年目(2023年度)は、夜勤勤務、シフト勤務、不規則勤務(営業職など)の者を雇用する2つの事業所(中企業・大企業)において、①勤務形態別に生活リズムと健康リスクの関連調査、②調査結果に基づく勤務形態別のアプローチ考案、③介入研究による効果の検証を行い以下の結果を得た。次年度以降も残りのデータ解析と結果公表を進める。 ■A社(就労者約400人、社員食堂なし) ①健診結果(勤務形態別)より、営業職で腹囲、BMI、TG高値とHDL-C低値が日勤群との比較で明らかとなった。ロジスティック解析の結果、営業職という勤務形態そのものが、腹囲・空腹時血糖高値とHDL-C低値の独立したリスク要因となっていた。A社の営業職の生活習慣の特徴は、長時間運転と遅い夕食、早食いであり、これらがメタボリックシンドロームリスクを高めていると考えられた(肥満研究29: 107-114, 2023)。②交替制勤務制をとっている「製造職」において肥満の予防・改善が必要となっている。そのため、職場への食環境介入として「インセンティブとナッジを用いた自動販売機での無糖飲料選択促進」を2工場で行い、ナッジ(あり)の効果を確認した(栄養改善学会への学会発表と論文投稿準備中)。 ■U社(就労者約2000人、社員食堂あり) ①実態調査より、交替制勤務者においてBMI高値などの健康問題が明らかとなった。そこで、②交替制勤務者より研究参加者を募り、無作為に介入・対照群に割り振り、2ヶ月間、介入群には社食におけるヘルシーメニュー提供を夜間勤務の際に行った。2ヶ月後、腹囲減少傾向、食態度向上などが認められた(栄養学雑誌へ投稿中)。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本年が初年度であったが、研究参加企業のご協力により、2年目に行う予定であった介入研究を前倒しで実施できた。データ解析も予定より早く進み、学会発表や論文投稿も進んでいる。
|
今後の研究の推進方策 |
1年目の健診データや食事データ(BDHQ)、教育的介入の結果データのさらなる解析を進め、成果の学会発表(招待講演を含む)と論文投稿による公表を進める。それとともに、最終的な目標である、就労者が自然に健康になれる職場の食環境とはどのようなものかという考察を行い、提案が行える状態にまとめる作業を行う。睡眠学会等のシフトワーク研究グループなど、栄養分野以外の研究者とも交流し、異なる視点からのアドバイスを受けるとともに、協力企業へのフィードバックやヒアリングも進めていく。
|