研究課題/領域番号 |
23K10902
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
浦野 泰臣 同志社大学, 生命医科学部, 准教授 (00546674)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | オキシステロール / 食品性抗酸化物質 / 細胞死 / 筋萎縮性側索硬化症 / ガン |
研究開始時の研究の概要 |
近年、食品由来抗酸化物質による細胞死抑制効果が注目されており、鉄依存性細胞死フェロトーシスにおけるビタミンEの抑制効果等が明らかにされた。本研究では病因性のオキシステロールはどのように細胞死を誘導し、さらにはどのように食品性抗酸化物質により抑制できるのか?を問いとして、オキシステロールのうち25-hydroxycholesterolによるフェロトーシス性細胞死誘導機構と食品性抗酸化物質による抑制機序および24S-hydroxycholesterol誘導性ガン細胞死機構とビタミンEによる抑制機序を明らかにすることを目的とし、解析を行う。
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研究実績の概要 |
目的Iについてマウスグリア細胞IMS-32の25-OHC誘導性細胞死に関して、コレステロール生合成を担うメバロン酸経路産物の影響について評価した。その結果、メバロン酸やidebenoneは25-OHC細胞死抑制効果があることを見出した。さらにタンパク質翻訳にメバロン酸経路の中間産物を必要とするGlutathione peroxidase 4(GPx4)の発現量が減少することを見出した。一方、メバロン酸経路の最終産物の一つであり、細胞内で脂質に対する抗酸化物質として働くコエンザイムQをHPLCで定量したところ、コントロール細胞と比べて有意な差はなかった。これらの結果から、25-OHCによるフェロトーシス誘導機構に関して、コレステロール生合成経路の抑制によるGPx4の発現低下が原因の一つとなった可能性が示唆された。また運動神経様細胞NSC-32細胞では、GPx4の発現低下が認められたことに加え、リソソームに脂質過酸化物が蓄積してることが明らかになった。一方でフェロトーシス阻害剤は細胞死抑制効果を示さなかった。 目的IIについて、5種類のヒト膠芽腫細胞について24S-OHC産生酵素CYP46A1 mRNAの発現量をreal-time PCRで評価したところ、最も発現が低い細胞としてT98Gを見出した。そこで可変量の24S-OHCで24時間処理し細胞生存率を評価したところ、濃度依存的な細胞生存率の低下が確認された。さらに処理時間を72時間まで伸ばしたところ、低濃度の24S-OHCでも強い細胞増殖抑制効果が認められた。また24S-OHCによる脂肪滴の形成が認められたことから、Acyl-CoA:cholesterol acyltransferase (ACAT)阻害剤の効果を検証したところ、共処理により有意に細胞生存率の低下が抑制された。これらの結果から、24S-OHCは膠芽腫細胞の増殖抑制に有効であり、ACATはその効果を一部相殺してしまう可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
目的Iについては、25-OHC誘導性細胞死のメカニズムとして、今年度はマウスグリア細胞であるIMS-32の解析を中心に行い、コレステロール生合成系の抑制がフェロトーシス誘導の原因の一部であることを見出すことができた。一方運動神経用細胞であるNSC-34細胞では脂質過酸化物が増加していたにも関わらずフェロトーシス阻害剤が効果を示さなかったことから、典型的なフェロトーシスとは異なるメカニズムである可能性が見出された。 目的IIについて、CYP46A1の発現が低い膠芽腫細胞では、低濃度の24S-OHCでも顕著な細胞増殖抑制効果を示し、神経細胞と類似したACATを介した機構により細胞死が誘導される可能性が示された。CYP46A1活性化剤であるEfavirenzの効果検証が進んでいないことから、試薬が入手出来次第検証を進める予定である。以上のことから、交付申請書に記した目的における2023年度の計画は順調に進展していると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
目的Iについて、GPx4がセレンを含むタンパク質であることからセレノシステイン前処理やGPx活性を示す化合物であるEbselenの細胞増殖に対する効果を検証する。さらに脂質過酸化反応を触媒するリポキシゲナーゼやシトクロムP450酸化還元酵素の発現量解析をreal-time PCR法やウエスタンブロット法により解析する。顕著な上昇が認められたタンパク質について、阻害剤やsiRNA法による機能阻害を行った場合における25-OHC誘導性細胞死に対する効果を検証する。目的IIについて、Caspase経路の活性化をイムノブロット法や阻害剤等により解析し、24S-OHC誘導性細胞死に対するCaspase依存性を明らかにする。またEfavirenzの効果も検証する。その他FACSを用いて細胞周期やDNA断片化を解析する。
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