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基質結合部位を標的とする副作用を抑えたアルツハイマー病の治療薬開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K10903
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分59040:栄養学および健康科学関連
研究機関大阪医科薬科大学

研究代表者

福森 亮雄  大阪医科薬科大学, 薬学部, 教授 (00788185)

研究分担者 渡邉 淳  国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 研究所 研究推進基盤センター, 室長 (90321843)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワードアルツハイマー病 / 基質結合部位 / APP
研究開始時の研究の概要

本研究では、アルツハイマー病アミロイド産生酵素の基質結合部位への基質結合メカニズムに焦点を当て、結合様式やその特異性を解明し、この部位への結合を阻害・修飾するための基盤を構築する。また、この部位への結合を阻害する小化合物を探索し、その薬効をマウスで検証し、そのProof of conceptを目指す。本研究計画の達成により、Aβを標的とする次世代のアルツハイマー病治療薬の開発が期待される。

研究実績の概要

2023年12月にアルツハイマー病の新規治療薬としてAβ抗体療法薬であるレカネマブが承認された。このことから、アミロイドβタンパク(Aβ)がADの主要な原因ということが、より強く支持された。これまでに、Aβの産生はβセクレターゼ・γセクレターゼなどのタンパク分解酵素の切断により起こることが明らかになっていたが、γセクレターゼの切断プロセスは複雑で、その制御機構はほとんど解明されていなかった。

申請者らはそのγセクレターゼの切断の制御機構に迫るため、光親和性クロスリンク法を用いて、γセクレターゼのプロテアーゼ切断に必要な基質との結合について解析してきた。具体的には、非天然アミノ酸(para benzoyl phenylalanine)の遺伝子取り込み法を用いて、分子中の任意の1アミノ酸をクロスリンク可能な側鎖を持つ非天然アミノ酸に置き換えたアミロイド前駆体基質を大腸菌に発現させ、C末端のHISタグにより精製した。その精製基質をγセクレターゼを含む細胞溶解液と混合し、インタクトな結合状態で光照射し、クロスリンクさせた。その後、変性条件下で複合体を解離し、HISタグを用いてプルダウンし、ウェスタンブロットを行った。

上記の方法での、γセクレターゼの基質結合部位の解析を通して、エクソサイトと呼ばれる触媒部位とは異なる結合部位を見出し、その部位の結合の様式を中心に研究してきた。エクソサイトへの結合にはアミノ酸配列の異なる基質を認識する柔軟性があることを示し、それを抑制する物質を発見し、抑制能を検証している。今後、その阻害物質についての研究をさらに進め、結合・抑制特性などの詳細を析していく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

概ね順調に進んでいる。昨年度に、論文のドラフトの作成や学会発表などを行った。また学会発表などにおいて得られた意見を集約し、それらに答えられるような実験を組み検証を進めてきている。

今後の研究の推進方策

さらなる阻害物質の探索やその化学修飾を行うなどを考えている。具体的には、エクソサイト結合部位を複数同定しており、これらの部位について一つ一つ変異体などを用いて解析する。また、見つけた抑制物質の結合阻害能について、異なるドーズで解析する。論文のドラフトをアップデートし、論文の投稿を目指す。また、学会発表なども積極的に行っていく予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] APLP2 is predominantly cleaved by β-secretase and γ-secretase in the human brain2023

    • 著者名/発表者名
      Yanagida K, Maruyama R, Tagami S, Kudo T, Okochi M, Fukumori A.
    • 雑誌名

      Psychogeriatrics

      巻: 23 号: 2 ページ: 311-318

    • DOI

      10.1111/psyg.12933

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] γ-Secretase exosites as targets for substrate-selective inhibition of intramembrane proteolysis2023

    • 著者名/発表者名
      Akio Fukumori
    • 学会等名
      12th General Meeting of the International Proteolysis Society
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] アミロイドペプチドAβ49の合成研究2023

    • 著者名/発表者名
      萩原 大耀、田中 晶子、佐藤 浩平、間瀬 暢之、福森 亮雄、鳴海 哲夫
    • 学会等名
      日本薬学会第144年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 自閉症の原因遺伝子であるNLGN4 の切断2023

    • 著者名/発表者名
      乾 菜々美、柳田 寛太、新宮 愛、山口 敬子、岡田 健、福森 亮雄
    • 学会等名
      日本薬学会第144年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] L1CAMの膜の内外でのプロテアーゼ切断2023

    • 著者名/発表者名
      中尾 和都、柳田 寛太、新宮 愛、山口 敬子、岡田 健、福森 亮雄
    • 学会等名
      日本薬学会第144年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [備考] 大阪医科薬科大学薬学部 薬物治療学Ⅱ研究室

    • URL

      https://www.ompu.ac.jp/class/pharm/dt2.html

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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