研究課題
基盤研究(C)
脳出血後遺症に伴う抑うつは、積極的なリハビリテーションの妨げになるため、結果として回復を遅らせる。我々はこれまで、必須アミノ酸の1つであるトリプトファンの代謝に関わるキヌレニン経路が脳出血後に変動し、その中間産物によってNMDA型グルタミン酸受容体の刺激が上昇することを見出した。一方で近年注目されているケタミンの新しい抗うつ効果の機序としてNMDA受容体遮断作用が有力であることから、この経路の変動が抑うつ発症に寄与している可能性が高いと考えられた。そこで本研究では、in vivo脳出血モデルを作成し、キヌレニン経路の制御が抑うつ行動に対し治療効果を発揮するか検討する。