研究課題/領域番号 |
23K10915
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
芳我 ちより 香川大学, 医学部, 教授 (30432157)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 母子保健 / アプリ / コホートデータ / ライフコースデータ / 生活習慣病予防 / 胎生期 / データベース / 乳幼児健診 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,胎生期から継続する環境要因が成人期の健康を決定するという学説が注目されている。胎生期の胎内環境要因に影響・関連する因子を幅広く収集することで胎生期から幼児期という超早期に生活習慣病を予防できる新たな戦略の開発が可能となる。これを目的とし,妊娠期から継続した生活・環境因子を幅広く収集できるデータベースを構築する。このコホートデータを解析し,小児期の体格推移に影響を与える胎生期から幼児期の生活・環境因子を同定する。本研究成果は、生活習慣病発症と関連する小児期の体格推移に影響を与える胎生期・幼児期の生活・環境因子解明につながり,超早期からの生活習慣病予防・健康増進が世界に先駆けて可能となる。
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研究実績の概要 |
本年度から令和6年度の目標は、コホートデータ収集のためのアプリケーションシステムとデータベースを構築することであった。そこで、令和5年度は胎生期から乳幼児期の生活習慣・健診データを収集するためのアプリケーションソフトを開発し、フィールドとなる三木町の担当者と相談の上「きみとみきメモリー」と名付けた。 また、データ収集項目を決定するため、妊婦健診各期、出生時、3か月、1歳半、3歳、5歳、6歳以降各年の健康診査データやアンケート収集項目の検討及び選定を行った。また、ブロックチェーン技術によるデータ流通基盤を活用したデータ収集を試行しながら、三木町と香川大学及び保護者間でリアルタイムな情報共有を可能とするシステム構築及びデータベース構築を行った。 アプリケーションのインストール人数は、8月5名、9月5名、10月12名、11月5名、12月3名、1月4名、2月8名、3月6名の合計48名であった。ただし、アンケート項目については回答を得られない項目も高頻度でみとめられたため、回答しやすさ、入力の面白さ(ゲーミフィケーション)などを検討していく必要性が示唆された。 なお、これらのデータを経年的に収集し乳幼児期までの早期の体格推移に影響を与える妊娠期の生活・環境因子の解明・関連の検証を行い、体格推移パターンとの関連を検討し、保健指導に役立つ指針となるエビデンスを産出することを目的に、母子健康手帳の電子化につながるアプリケーションソフトの開発を含む、調査研究を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の目標であるコホートデータ収集のためのアプリケーションシステムを開発し、データベースの基盤となる項目を決定できたため。ただし、経年的にデータを蓄積し、複数の研究者がアクセスできるようなデータセンターをつくる必要性があると考えるため、まだ課題は残る。そのため「おおむね」とした。
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今後の研究の推進方策 |
今回、事業の実施にあたり、窓口での妊娠届出書のデジタル化を伴いながらのアプリケーションの普及実施という中で、妊娠期に焦点をあてアンケート収集を行った。結果としては48名にアプリケーションをインストールいただくことができた。 一方で、今回はiOSのみの対応としたため一部住民の参加が不可であり、事前に紙の妊娠届出書を記入いただいていた方は、窓口でも入力いただくこととなり二重の手間となった。参加者がスムーズに事業に参加するためには、Android OSへの対応と、事前登録機能が必要であると考える。事前登録機能を実装することで、紙の妊娠届出書に記載する必要がなくなり、窓口での対応時間を削減できるメリットがある。そして、入力状況もリアルタイムに把握できるため、参加者の情報を窓口に来る前に確認し、より適切な聞き取りやサポートが可能となる利点がある。 また、今回はアプリケーションインストール後の参加者へのタッチポイントがなかったため、アンケート回答率が初期の段階から50%を下回った。定期的なプッシュ通知や、アンケート以外の機能拡充は令和6年度事業において重要である。 今後、これらの点について改善していく。
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